あなたはどれぐらいの頻度で耳かきをしていますか？
大体週に1回程度から、多い人だと毎日するのが習慣になってる人もいると思います。
しかし、実は耳かきのやりすぎはとても危険なんです。 一体どのような危険性があるのか、お話ししたいと思います。
1.耳かきのやりすぎによる危険性
耳かきをやりすぎると、耳の内部を傷つけてしまいます。
内部が傷付くとかゆみや軽い痛み、傷口から耳だれが出たりすることがあります。
耳だれとは耳の穴から出てくる分泌物のことです。 軽度で済む場合もありますが、傷口からカビや細菌に感染し炎症をおこす場合があります。 そして、炎症が悪化すると、次のような症状を引き起こします。
①外耳炎
耳の1番外側にある場所を外耳と言います。その外耳が耳かきのやりすぎで傷付き炎症を起こした状態です。 外耳炎の原因の多くは耳かきだそうです。
軽度の場合は、透明な液体(リンパ液）が出ます。 耳から水が出るような感覚だそうです。
しかし、細菌感染して重症化していると膿の混じった黄色い耳だれがでます。膿の混じった耳だれは臭いも伴い、粘着質な状態です。
外耳炎は口を動かしたり、耳たぶを引っ張ると痛みが激しくなるという特徴があります。
②中耳炎
外耳の内側にある部分を中耳と言います。
耳かきで傷付いた部分にカビや細菌が感染して炎症を起こします。 炎症を起こした部分から膿が分泌され、その膿が中耳に溜まってしまう状態を中耳炎と言います。
中耳炎になった場合も痛みやかゆみに加え、膿混じりの黄色い耳だれが出ます。 さらに、中耳炎は悪化する可能性が高い症状です。
悪化すると難聴や聴力低下をまねく危険性があります。 そのため、主な症状とされている耳閉感(耳が詰まったような感覚）がある場合は、すぐに耳鼻科を受診しましょう。
③腫れの切除手術
血や耳だれが出るとますますかゆみがでます。 ここで我慢できずに耳かきをしてしまうと、耳の中が腫れてしまいます。腫れがひどくなると穴を塞いでしまうこともあります。
こうなると耳が聞こえずらくなってしまい、切除手術が必要になる可能性もあります。
耳は神経が入り組んでいるため局所麻酔が効きづらいそうです。 そのため、手術は痛みが伴うことがあります。 痛みを避けるために全身麻酔という方法もありますが、その分時間も費用も余計にかかります。
④鼓膜が破れる
耳かきをし過ぎることで、耳垢はどんどん奥に押しやられてしまいます。 奥に押しやられた耳垢は、外耳道を詰まらせてしまうことがあります。
そうなると病院で取ってもらわなければならなかったり、最悪聴力を失います。
さらに、奥に耳垢が押しこまれてしまった場合には、鼓膜が破れる危険性もあります。
このような状況を避けるため、
・血が出る
・耳だれが出る
・痛みやかゆみがある
・耳が聞こえにくい
などの症状がある場合には、すぐに耳鼻科を受診するようにしましょう。
耳かきのやりすぎにはこのような危険性があります。
では、耳かきはどれぐらいの頻度で行うのがいいのでしょうか？
2.耳かきの頻度
実は耳垢は勝手に出て行くものなので、耳かき自体しなくてもいいのです。
耳垢はあごを動かす事で勝手に出て行くそうです。そのため普段食事をしている時や会話をしている時に外に排出されているのです。
またこの耳垢には重要な働きがあります。
①耳垢の働き
耳垢というと不要なもののイメージですよね。
しかし、この耳垢は酸性で、耳の中の細菌が繁殖するのを防ぐ働きをしています。 また、脂肪も含まれていて、皮膚の乾燥を防ぎ肌表面を保護する働きがあります。
そのため、耳垢はむやみにとらないほうがいいのです。
ただ、どうしても耳かきをしたいという場合は、2週間～1ヶ月に1度くらいの頻度で行うのが理想です。
耳垢が溜まるのは耳の中の手前1cmだそうです。 耳かきをする際は手前1cmだけを優しく耳かきするようにしてください。 綿棒を使用すると耳を傷付けるリスクが減らせるのでおすすめだそうですよ。
②なぜ耳かきしたくなる？
耳かきはしなくてもいいのになぜしたくなるのでしょうか？
その理由は、耳には快感を得られる「迷走神経」があるからです。 耳かきをすることで気持ち良くなるため、つい耳かきをやりすぎてしまうのです。
まとめ
耳かきは本来はしなくてもいいものとされています。しかし耳かきが癖になっていたり、習慣づいていてやりすぎてしまう傾向があります。
耳かきのやりすぎによって
・外耳炎
・中耳炎
・切除手術
・難聴や聴力低下
・鼓膜が破れる
などのリスクが伴います。
最悪な状況を避けるためには耳かきは2週間～1ヶ月に1回、手前1cmを耳かきするようにしましょう。 また、血や耳だれ、かゆみが痛みなどの症状が出たらすぐに耳鼻科を受診するようにしましょう。 軽度のものであれば点耳薬や軟膏で治すことができます。
小さなお子様の耳掃除は、月に1回程度、耳鼻科でやってもらうことをおすすめします。
