着ようと思っていた洋服がシワだらけ、なんて経験ありませんか?
シワだらけの洋服は相手に与える印象もよくないですし、着ている本人の気分も下がります。
そこで活躍するのが「アイロン」ですが、いまいち正しい使い方が分からなかったり、使ったことがない人もいると思います。
今回は、アイロンがけの基本をお伝えします。
1.アイロンがけの基本
アイロン本体を見てみると、「高温」「中温」「低温」や「ドライ」「スチーム」などの機能があります。
アイロンがけは、これらの機能の使い分けによって、仕上がりの良し悪しが変わります。
①高温
180℃~200℃の温度の設定になります。
高温が適温となる素材は、綿(コットン)や麻が主な素材です。
それ以外の素材でも、高温表示のある素材には高温でアイロンがけをしてください。
②中温
140℃~160℃の温度の設定が中温です。
適温となる素材は、毛(ウール)や絹(シルク)、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、キュプラなどがあります。
それ以外の素材でも、中温表示があれば中温でアイロンがけをしてください。
③低温
80℃~110℃の温度の設定が低温です。
適温となる素材は、アセテートやアクリル、ポリウレタンなどが主なものになります。
それ以外の素材でも、低温表示があれば低温でアイロンがけをしてください。
④ドライ
ドライは、アイロンの熱のみでシワを伸ばす方法です。
綿や麻、ポリエステルなどの合成繊維、絹などの薄物が生乾きのものにドライを使用します。
⑤スチーム
スチームは、蒸気の力でシワを伸ばす方法です。
ウールやセーターの形を整えたい時、パンツに折り目をつけたい場合などに、スチームを使用します。 ドライの高温に耐えられない素材に使うと覚えておくといいでしょう。
2.アイロンがけに必要なもの
・アイロン
・アイロン台
・霧吹きやアイロン用仕上げ剤
・あて布
アイロンがけには上記のものが必要になります。
アイロン台にはいくつか種類があります。 スカートやシーツなど大きな面をかける事が多ければ長方形、シャツ類が多い人は舟形を選ぶのがおすすめです。
霧吹きやアイロン用仕上げ剤は、ドライでアイロンがけをおこなう際に使います。
3.アイロンがけの手順
①手アイロンで衣類を整える
アイロンをかける前に、まずは衣類のシワを手で伸ばしておきます。
そして広げるところは広げ、プリーツがあるものはきちんとたたんで形を整えましょう。
そうすることで、アイロンがけの際に変なシワがつかずに綺麗にかけられます。
②細かい部分や厚みのある部分からかける
先に広い部分からかけると、細かい部分をかけているうちにシワがついてしまい、二度手間になります。
そのため、アイロンは「細かい部分」や「厚みのある部分」からかけ始めるのが基本です。
まずは、襟や袖口、肩、ボタンまわりからかけ始めましょう。
③広い面をかける
広い面にアイロンがけをする際には、一定方向にかけてください。
ジグザグ動かしたり、アイロンを往復させてしまうとシワができやすくなります。
④ハンガーにかける
アイロンがけが終わったら、すぐにたたむのはNGです。
熱がとれるまでハンガーにかけて乾燥させてください。
4.アイロンがけの基本動作
アイロンがけの基本動作には3つあります。
それは「すべらせる」「押さえる」「浮かす」です。
①すべらせる
アイロンがけの1番の基本動作となるのが「すべらせる」です。
衣類の身頃やシーツなどの広い面積にかける場合、アイロンをすべらせてかけます。
すべらせる時は、一定方向に向かって直線的に動かすのがポイントです。
このときアイロンの先を少し浮かせ、後ろ側に力をいれると、滑らかに動かすことができます。
②押さえる
シャツの襟や袖口のカフス、スラックスの折り目つけをしたいとき、「押さえる」動作でアイロンがけをします。
アイロンの上から、軽く押さえるように力をいれておこないます。
このとき、長時間ギュッと押し当ててしまうと、生地が焦げる可能性があるので要注意です。
ギュッギュッとアイロンをあてては離すを繰り返して、仕上げてください。
③浮かす
「浮かす」は、スチームを使用してアイロンがけをする際の基本動作となります。
アイロンを1センチほど浮かせて、スチームの蒸気をあてるようにかけましょう。
セーターや毛足の長い繊維を、ふんわり仕上げることができますよ。
5.アイロンがけの注意点
①適正温度を守る
アイロンがけをする前に、洗濯絵表示に表示されている温度を確認してください。
適正温度を守らないと、中には変質してしまうものもあります。
使用されている素材が複数ある場合は、適正温度が低い素材に合わせましょう。
また、1度に何枚かアイロンがけをする際は、低い温度のものからかけてください。
②しっかり乾燥させる
先ほども触れましたが、熱や湿気が残っているうちにたたむとシワになります。
それではせっかくキレイにアイロンをかけたのが台無しです。
アイロンをかけたあとは、熱や湿気が完全にとれるまでハンガーなどにかけておきましょう。
③あて布の有無を確認する
洗濯絵表示に「アイロンはあて布を使用してください」と表記があるものには、必ずあて布を使用してください。
あて布が必要なものにあて布なしでアイロンをかけてしまうと、生地にテカリが出る場合があります。
あて布が必要となる主な素材として、ウール、カシミヤ、シルク、ポリエステル、レーヨンなどがあげられます。
④「×」がついていたらアイロンがけは不可
アイロンマークに「×」がついているものには、アイロンは使用できません。
最後に
アイロンがけの基本についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
アイロンがけは、高温の金属を衣類にあてることから、基本をしっかり押さえておくことが大切です。
正しいアイロンがけをすると衣類を長持ちさせることができる一方、間違った方法でかけると衣類の寿命を縮めてしまう可能性があります。
正しいアイロンがけをして、おしゃれを楽しみましょう。