あなたは調理の際に出た果物や野菜の皮をどうしていますか?
生ゴミとして処理しているのではないでしょうか。
実は、ゴミとされがちな皮やヘタ、ゆで汁などで家中のさまざまな汚れを落とすことができるのです。
今回は、そんな食品廃材を使った掃除方法をご紹介します。
1.食品廃材とは
食品廃材とは、調理などの過程で出た、不要になった部分のことを言います。
最近では、野菜の皮でスープを作る「ベジフロス」など、食品廃材の再利用が注目されています。
しかし、そのような食材として利用する方法以外に、食品廃材は昔から掃除の道具としても活用されてきました。 先人の知恵というものですね。
それでは早速、食品廃材を使用した掃除方法をご紹介していくことにしましょう。
2.レモンやミカンの皮
レモンやミカンなど柑橘類の皮には、「クエン酸」「リモネン」「ペクチン」といった成分が含まれています。
クエン酸は酸っぱさの元となる成分で、食品に含まれる酸の中で最も強い酸性となっています。 そのため、水あかや鏡、ガラス製品のくもりなどのアルカリ性の汚れを落とすのに優れています。 殺菌作用もあり、洗浄・殺菌のどちらもできる掃除にもってこいの成分なんです。
リモネンは柑橘類に含まれる精油成分で、洗剤の洗浄成分としても使用されている成分です。
油を分解するため、油汚れを落とす働きがあります。
ペクチンには、コーティングやツヤ出し効果があるので、フローリングや革製品に使用するとツヤが出ます。
掃除に活用すると効果的な場所・モノは次の通りです。
①水回りの汚れ
レモンやミカンの皮をスポンジ代わりにして磨くと、シンクや蛇口がピカピカになり、水あかもとれます。
汚れを落とす際は皮の「白い面」を使ってください。
1つ、水回りの掃除に使う場合の注意点があります。
それは、擦った後にしっかり酸を洗い流すことです。 酸が残ってしまうとサビの原因になる可能性があるので、しっかり洗い流してください。
②まな板の洗浄、殺菌
まな板をレモンやミカンの皮で擦り、20分程放置します。 その後、水ですすぐとまな板の汚れやにおいが落ちます。
汚れがひどい場合は、一晩おいてから流してください。
③フローリングの掃除
レモンやみかんの皮4個分を水400ccにいれて、15分程度煮出します。
冷めたらザルで濾して、スプレー容器にいれたら洗剤の完成です。
これをフローリングの拭き掃除に使うと、汚れ落としとツヤ出し、どちらの効果もあります。
④革製品の掃除
また、革製品に使用する場合は、始めに皮の白い面で汚れを落とした上で、黄色い面でツヤ出しして仕上げるとキレイになります。
⑤コンロの油汚れ
リモネンは、油分を分解する性質があります。
そのため、ちょっとした油汚れであれば、③で紹介した洗剤で拭き取ればキレイになります。
3.じゃがいもの皮・ゆで汁
じゃがいもに含まれているサポニンには、石けんなどと同じ界面活性剤の作用があります。
そのため、汚れを包みこんで落とすことができます。
また、じゃがいもに豊富に含まれるでんぷん質も掃除に役立つ働きがあります。
汚れを吸着したり膜を作って曇り止めの効果もあるとされています。
じゃがいもが掃除に効果を発揮するのは、以下の場所です。
①鏡やシンクの汚れ
じゃがいもの「実がついていた面」で、シンクや鏡を擦った後に乾拭きすると、水あかやくもりが取れてピカピカになります。
汚れが落ちるだけでなく、でんぷん質の働きで曇り止めの効果もあります。
②排水口のぬめり
排水口のぬめりには、じゃがいものゆで汁が効果を発揮します。
ゆで汁は冷めたものではなく、熱いものを使うのがポイントです。
熱湯で汚れを浮かせ、でんぷん質がそれを吸着します。 ゆっくり流すと汚れが落ちやすいです。
③茶しぶ汚れ
じゃがいもの皮4~5枚と少量の水を、茶しぶが気になるものにいれます。
そして、20~30回シャカシャカ振るだけで茶しぶが落ちます。
水筒やお茶を入れる容器の蓋についた茶しぶは、じゃがいもの皮でこするとキレイになります。
4.卵の殻
卵を割ったあと、ポイっとゴミ箱に捨ててしまいがちな卵の殻も掃除に利用できます。
卵の殻は細かく砕いて使用すると、研磨剤の効果を発揮します。
①コップや水筒の汚れ
コップや水筒など、奥まで手が届きにくいものの汚れ落としには、卵の殻が有効です。
できるだけ細かく砕いた卵の殻と少量の水を入れて、シャカシャカ振り洗いをします。
すると汚れや曇りが取れキレイになります。 ミキサーなどの汚れ落としにも有効です。
②コンロの汚れ
細かく砕いた卵の殻をコンロや五徳にふりかけてください。
そして、洗剤を少量含ませたスポンジでこすると汚れがキレイに落ちます。
③衣類の漂白
卵の殻は加熱すると、お湯の成分がアルカリ性になり、洗浄力が強くなります。
そのため、衣類についた食べこぼしや襟や袖口の皮脂汚れや汗染み、ふきんの漂白に効果を発揮します。
やり方は、鍋に漂白したい衣類と、粗く砕いた卵の殻を入れて煮るだけです。
使用する量は、シャツ1枚あたり卵の殻3個が目安となります。
煮る時間は衣類は30~40分、ふきんなどは10分程度です。
煮た後は水で洗い流して、普段通り洗濯してください。
5.米のとぎ汁
米のとぎ汁には、米ぬかの成分が溶け出しています。
その中でも、界面活性剤の役割を果たすソグロブリン、汚れを吸着させるでんぷん質、ワックス効果があるオリザオイルが掃除に役立ちます。
①食器や調理器具の油汚れ
ソグロブリンとでんぷん質の働きにより、食器やフライパン、鍋などについた油汚れを落とすことができます。
1番最初のとぎ汁につけ置きすると、軽い油汚れであれば洗剤なしでも大丈夫なほどです。
②フローリングの拭き掃除
こちらも1番最初のとぎ汁を使用します。
とぎ汁に雑巾をいれて絞り、フローリングの木目に沿って拭き、乾けば完了です。
乾拭きや水拭きは必要ありません。 オリザオイルの効果で、適度なツヤも出てピカピカになります。
ただ、この効果があるのは無垢材のフローリングです。
元からツルツルした複合フローリングに使用すると、逆にざらつきが出る場合があるので注意してください。
5.コーヒーかす
コーヒーかすは、消臭剤に使用されている活性炭と似た構造になっていて、優れた消臭・防臭効果があります。 そのため、消臭剤として使用できるのです。
生ゴミや冷蔵庫、タバコやトイレ、下駄箱などすべての消臭に効果を発揮します。
中でもおすすめなのは、トイレでの使用です。
コーヒー豆には、アンモニアを吸収する力が活性炭の5倍も強いとされています。
なので、トイレの消臭にとても効果的なのです。
コーヒーかすを消臭剤にする方法は、よく乾燥させてから小皿やお茶のパック、ガーゼに包んで置いておくだけです。 1~2週間くらい効果が持続します。
6.紅茶のティーバック
紅茶に含まれているタンニンには、脂肪を分解する作用があります。
そのため、油汚れを落とすのに効果を発揮します。
軽めの汚れであれば、洗剤を使わずにティーバックで擦るだけで落ちてしまいます。
落ちにくい汚れには、ティーバックに洗剤を加えて使うと、強力な効果を発揮してくれます。
シンクや蛇口などの汚れも落としてくれるので、水回りの掃除に紅茶のティーバックが活躍します。
最後に
食品廃材のリサイクル、いかがでしたでしょうか?
ただの生ゴミと思って捨てていたものでも、その成分や効能を知り活用することで、役立てることができるんですね。
別に全部実践する必要はありません。 これいいかも?と思ったものを試してみて、効果を実感できたら、ぜひ家の掃除に役立ててください。