加齢臭が気になる!?原因と予防法を知ってしっかり対策を

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あなたは体臭を指摘されたこと、ありませんか?
自分のにおいというのは、自分自身ではなかなか気付きにくいものです。
ショックなことではありますが、誰かに指摘してもらえるというのはある意味ラッキーなのかもしれません。
今回は、そんな自分では気付きにくい体臭、特に加齢臭について見ていきたいと思います。

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1.加齢臭が起こるのはなぜ?

以前は、歳を重ねるとともに発生するこのにおいに明確な名前はありませんでした。
しかし、1999年に資生堂リサーチセンターの研究員がこのにおいの原因となる物質を発見し、同時に「加齢臭」という名前を授けたのです。

その原因となる物質は「ノネナール」というもので、食習慣の欧米化、いわゆる「肉食」がこの物質の発生を促す主な理由のうちの一つとされています。
これは、欧米人の80%がいわゆる「ワキガ」体質であるのに対し、日本人にはもともと10%程度しかワキガ体質の人が存在しなかったのに、食事や生活習慣の欧米化でこの割合が少しずつ増えていることからもわかります。

また、アルコールの摂取、運動不足、仕事やプライベートにおける数々のストレス、これらも「ノネナール」の生成を強く促す原因になっているようです。
では、なぜこの物質が歳を取ると増えていくのか、そのメカニズムを見てみましょう。

2.体臭の種類について

まず、人間の持つ体臭はその発生源によって3種類に分けられますが、「加齢臭」はどれに当たるのかを確認します。

①エクリン汗腺由来の体臭

汗が分泌される汗腺には2種類あり、その一つがエクリン汗腺です。
ここから出る汗はほとんどが水分で、体温調整のためや激辛カレーなどの刺激物を食べたときに出るのがこちらです。
出てきてすぐは完全に無臭なのですぐに拭き取れば問題ありませんが、そのまま放っておくと雑菌が繁殖してにおいの原因となります。

②アポクリン汗腺由来の体臭

もう一つの汗腺であるアポクリン汗腺からでる汗も、それだけではにおいを発生させることはありません。
この次に見る「皮脂」に含まれる脂肪酸と混ざり合うことで、ワキガのような強烈なにおいになります。

③皮脂由来の体臭

「加齢臭」はこのカテゴリーに含まれます。
皮脂腺から分泌された皮脂に含まれる脂肪酸が過酸化脂質に変化し、強いにおいを放ちます。
先ほど見た「ノネナール」が生成される原因は「皮脂」なんですね。
では、もう少し具体的に皮脂が加齢臭を生み出す仕組みを見ていきましょう。

3.加齢臭が発生するのはいつから?

「皮脂」は皮膚の表面に無数に存在する毛穴の奥にある皮脂腺から分泌されます。
これが汗腺から分泌される汗とちょうどよい具合に混ざり合うことで、皮脂膜というものを作ります。
皮脂膜は皮膚の水分が蒸発することを防ぎ、外部からの刺激に対してのシールド役も担っているので、皮脂は私たちにとってなくてはならない存在なんです。

ただ、ある時期を境に、この皮脂の中にあまりうれしくない物質が混ざるようになります。
それが「9-ヘキサデセン酸」という不飽和脂肪酸の一種です。 そして、同時に「過酸化脂質」という物質も増えるようになります。

これらは若い頃にはほとんど見られない物質で、この二つの物質が酸化・分解されることで生成されるのが「ノネナール」なのです。
その時期は40歳前後。 まさに加齢臭が(自分が気づかない間に)徐々に自己主張し始めるのがこの年齢なのです。

4.加齢臭に男女差はある?

「オヤジ臭」という言葉があるように、加齢臭は男性を中心として語られることがほとんどです。 では、女性にも加齢臭はあるのでしょうか? あるとしたら、程度の差はあるのでしょうか?

この点、先ほど見た体臭の種類・発生源に男女差はなく、女性の身体もノネナールを生成します。 したがって、加齢臭は男性特有のものでななく、女性にもあります。

ただ、女性の場合は女性ホルモンが酸化を抑える作用があることで、男性に比べてノネナールの生成量が少ないという違いがあります。
加えて、清潔さへの気遣いや化粧品・香水の使用など、総じて男性よりも臭いに対する意識が高いため、男性よりも臭いが目立たないという違いもあります。

とはいえ、加齢とともに女性ホルモンの分泌量は減少していくので、女性も40歳を過ぎたら加齢臭対策に気を遣う必要がある、ということになります。

5.予防と対策

年齢を重ねるにつれ加齢臭が強くなってしまうのはやむを得ないとしても、なんとかそれに抗いたいものです。
そこで、ここからは加齢臭の予防と対策について見ていきましょう。

①抗酸化食材を摂る

臭いの原因「ノネナール」は、皮脂に含まれる脂肪酸の酸化が原因でしたね。
なので、体内の酸化を防ぐビタミンC・ビタミンE、ポリフェノールといった栄養素を豊富に持つ食材、赤ピーマンやオイルサーディン、ブラックコーヒーなどを積極的に摂りましょう。

②肉類を控える

肉類を始めとした高タンパクな食材も体内の酸化を早めてしまいます。
代わりに、海藻類・食物繊維などを多く摂るようにしましょう。 わかめスープ、野菜スープなどを食事の前に摂ると効果的です。

③アルコールを控える

「ノネナール」と、アルコールから生成される「アセトアルデヒド」という物質が混ざり合うと、さらに強烈な臭いが発生します。
また、アルコールを分解するために肝臓に負担がかかると活性酸素が発生し、体内の酸化がさらに進みます。
なので、アルコールの摂取はできる限り控えることです。
また、活性酸素は有酸素運動で抑えることができるので、ウォーキングやジョギングを取り入れるのもいいでしょう。

6.しつこいにおいの改善

ただし、これまで見てきた予防と対策は生活習慣の改善が主になるので即効性はなく、効果が出るまでにある程度の期間がかかります。
もし、自分でも気付くくらいににおいが強い場合は、次のような身体の洗い方を試してみてください。

①時間をかけて念入りに洗う

皮脂に含まれる「ノネナール」は、水に溶けにくく肌に留まりやすいという、とんでもない性質を持っています。
軽くシャワーをするだけで簡単に取れるわけではありませんので、とにかく根気よく洗いましょう。

②臭いの発生場所を徹底的に洗う

よく「枕の臭いで加齢臭に気付く」と言われる通り、加齢臭の発生部位は「頭・首の周り・耳の後ろ」です。
ここは特に丁寧に時間をかけて洗いましょう。

③石油系ではなく石鹸系のボディーソープを使う

石油系のボディーソープは安価で洗浄力も強いため、広く普及しています。
しかし、洗浄力が強すぎると必要な皮脂まで流れてしまい、体内の防衛作用でより多くの皮脂が分泌されるという悪循環に陥ります。
身体に優しい天然素材の石鹸系洗剤を使うようにしてください。

最後に

加齢臭は、長い間アルコールの過剰摂取や肉食・偏食・多食、運動不足などを続けてきた結果、いよいよ耐えきれなくなった身体によるあなたへの仕返しなのかもしれません。
ただ、ここで悔い改め生活習慣を変えることで、その発生を最小限に抑えることは可能です。
今回ご紹介した予防と対策で、ぜひ「華麗臭」を振りまく人に生まれ変わってくださいね。

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