マーガリンとトランス脂肪酸の危険性は本当か 含有量の少ない商品は?

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マーガリンに含まれるトランス脂肪酸が危険と言われて久しい気がします。
しかし、今でもマーガリンを使っている家庭は多いでしょうし、それで健康被害が出たというニュースは聞きません。 はたして本当に危険性はあるのでしょうか?
今回は、トランス脂肪酸の危険性などを説明した上で、含有量の少ない商品・多い商品を挙げてみました。

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1.マーガリンとトランス脂肪酸

マーガリンにはトランス脂肪酸という成分が含まれています。
このトランス脂肪酸が入っていることで、マーガリンには危険性があると言われているのです。

<トランス脂肪酸とは>

トランス脂肪酸には2種類あります。 牛乳や牛肉に微量に含まれている天然の物と、油脂に水素分子を付加して製造する人工的な物です。

自然のトランス脂肪酸はごく微量なので問題ありません。 問題なのは水素添加で作られたトランス脂肪酸です。 人工的に作れるために食品に大量に含めることができるのです。

トランス脂肪酸の原料の大半はオリーブ油やごま油などの植物性の油です。 残りの少数は魚油や国産の豚油、牛脂などの動物性の油脂が原料になります。
これらの原料自体に害はありません。 しかし、この原料に水素添加させて油を硬化させることでトランス脂肪酸が発生するのです。

マーガリンの成分の80%以上は植物油です。そして、これらを水素添加し固形化して作られます。 それゆえ、マーガリン=トランス脂肪酸の代名詞のように語られているのです。
市販のマーガリンには、100g中約1g~13gのトランス脂肪酸が含まれています。

2.トランス脂肪酸の危険性

マーガリンはトーストなどに使う以外にもさまざまな食品に使用されています。
市販されているパンやクッキー、スナック菓子、ファストフードには多く含まれているので注意が必要です。

また、トランス脂肪酸は加熱することで増える特徴があるとされています。 マーガリンは加熱して使う機会が多いので、過剰摂取してしまう危険性があるのです。

では、トランス脂肪酸にはどのような危険性があるのでしょうか。
この点、トランス脂肪酸には悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす働きがあります。 悪玉コレステロールが増えると、血管内の血流が悪くなり、血液がドロドロになってしまいます。 こうしたことから、過剰摂取をすると動脈硬化・心臓疾患・脳梗塞など血液が詰まることで起きる病気のリスクが高くなります。

この他にも

・アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎などアレルギー症状の悪化
・子宮内膜症や不妊症などの婦人科トラブル
・妊娠中の流産や胎児の低体重化
・肥満

などのリスクがあります。

アメリカでは、トランス脂肪酸を2018年6月までに食品添加物から全廃すると発表しました。
スイスやオーストリアでも国内流通を禁止しています。 これ以外の多くの国でもトランス脂肪酸の使用量には規制があります。

しかし、日本ではトランス脂肪酸の規制がありません。
その理由として挙げられているのが、摂取量が欧米人の8分の1と少ないから、というものです。 普通の食生活をしていれば、トランス脂肪酸の影響はないので、規制の必要がないというわけです。

とはいえ、日本でも食の欧米化が進んでいるので、役所が出す8分の1という数字を鵜呑みにするのは少々怖い気もします。
やはり、日頃から意識して摂取量を減らし、自己防衛するべきだと思います。

3.トランス脂肪酸が少ないマーガリン・多いマーガリン

<トランス脂肪酸が少ないマーガリン>

・創健社 べに花ハイプラスマーガリン 370g
トランス脂肪酸含有量 0.3%

・小岩井乳業マーガリンヘルシータイプ 180g
トランス脂肪酸含有量 0.3%

・雪印 マーガリンネオソフト 300g
トランス脂肪酸含有量 0.8%

・ラーマ バターの風味
トランス脂肪酸含有量 1%

・イオン トップバリュ
キャノーラソフトカロリー1/2 180g
トランス脂肪酸含有量 0.23%

<トランス脂肪酸が多いマーガリン>

・マリンフード ツキマルゴールド
トランス脂肪酸含有量 6.5%

・雪印 バター仕立てのマーガリン
トランス脂肪酸含有量 6%

・イオントップバリュ キャノーラソフト紅花
トランス脂肪酸含有量 5.3%

これらの商品がトランス脂肪酸が少ないマーガリン、多いマーガリンになります。
購入する時の参考にしてください。
同じメーカーでも銘柄によって多い物、少ない物があるので、注意してくださいね。

ところで、マーガリンの似た商品にはバターがありますよね?
マーガリンとバターの違いというと風味が違うのが1番わかりやすい違いです。
では、それ以外にはどのような違いがあるのでしょうか。

4.マーガリンとバターの違い

<マーガリンの特徴>

バターって高価ですよね? その高価なバターの代用品として、コストを抑えるために作られたのがマーガリンです。

さまざまな植物油を原料にしているため、固さや味が違ったものを作ることができます。
柔らかくて味もバターよりあっさりした風味なので、使いやすいですね。

<バターの特徴>

バターの原料は牛乳です。 生乳や牛乳に含まれる脂肪分を抽出し固めることでバターになります。 バターとして販売するには、乳脂肪分80%以上・水分17%以上という決まりがあります。

実はマーガリン同様、バターにもトランス脂肪酸が含まれています。
しかし、牛乳に含まれるのは天然のトランス脂肪酸で、含有量もマーガリンが平均7gなのに対し、バターは平均1.95gと少ないです。

したがって、マーガリンのトランス脂肪酸に比べるとその含有量・危険性ともに極めて低いといえます。 しかし反面、動物性の脂肪酸なのでコレステロール値が上がりやすく、カロリーが高いというデメリットもあります。

マーガリンとバターにはこのような違いがあります。

特徴を比べてみると、

・原料
・トランス脂肪酸の種類と含有量
・カロリーとコレステロール値
・コスト

が大きな違いとなります。 結局、どちらも過剰摂取を控えるべきなのは同じです。

最後に

マーガリンに含まれるトランス脂肪酸には、やはりさまざま危険性があることが分かりました。 しかし、問題になるのは過剰摂取した場合です。
含有量の少ないマーガリンを選ぶ、ファストフードやお菓子を控えることなどで過剰摂取は回避できます。 それでも気になるのであれば、バターを使うといいでしょう。
ただし、バターも過剰摂取は厳禁です。

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