インフルエンザの予防接種 誤解が多いその効果と持続期間

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毎年猛威を振るうインフルエンザ。 感染すると、38度以上の高熱、頭痛、関節痛など、全身に症状があらわれます。
予防接種を受ける人も多いと思いますが、その効果や持続期間などについて、正しい知識を持っていますか?
今回は、実はあまり知られていない、インフルエンザの予防接種の基礎知識についてお話しします。

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1.インフルエンザワクチンとは

予防接種では「ワクチン」と呼ばれるものを投与します。
私たちの身体は一度ウイルスに感染すると、それを排除する抗体を作ります。
すると、次に同じウイルスが侵入しても感染症にかかりにくくなります。 これが免疫です。

この働きを利用して人工的に抗体を作り、ウイルスに対しての免疫を作るのがワクチンです。
現在、日本で使用されているインフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」です。
これは、ウイルスに化学処理をして感染症をなくしたもので、安全性が高いワクチンになります。

インフルエンザのワクチンは、実は毎年配合が異なります。
なぜならば、インフルエンザウイルスは変異しやすく、流行する型が定着しないからです。
そのため、WHO(世界保健機関)や国立感染症研究所で、その年の流行型を予測・検討して配合が決定されます。
2014年時点ではA型2種、B型1種だったのが、2017年にはA型2種、B型2種のインフルエンザウイルスに対応できるようになりました。

2.インフルエンザ予防接種の効果

先述の通り、インフルエンザには定着性がありません。 そのため、ワクチンは流行を予測した上で配合が決められ、製造されます。
ワクチン株と流行株が一致した場合は、約70~90%の有効性があるとされていますが、
予測が外れたり、新たなインフルエンザ型が現れると、予防接種効果は低くなります。

また、予防接種をしてすぐに効果は発揮されません。 インフルエンザの抗体ができるまでには、1~2週間程度かかります。
抗体ができる前にインフルエンザウイルスに感染すると、予防ができず発症します。
さらに、インフルエンザウイルスには1~7日間の潜伏期間があり、この期間内に接種しても効果はなく、発症は防げません。

実は、予防接種をしたら絶対にインフルエンザにかからないというわけではありません。
予防接種は、インフルエンザの重症化を防ぐもので、感染自体を防ぐことはできないのです。
とはいえ、インフルエンザワクチンには、感染後に出る発熱やのどの痛み、関節痛などの症状を抑える効果は認められています。
また、インフルエンザは免疫力の低いお子様や高齢者の人がかかりやすく、肺炎や脳症などの合併症も起こしやすいとされているので、予防接種が有効であることは間違いないでしょう。

3.インフルエンザ予防接種の持続期間

予防接種は、受けてから約1ヶ月後に抗体の効果はピークを迎え、その後は徐々に減少していきます。
したがって、ワクチンの持続期間は一般的に6ヶ月程度とされています。

例年インフルエンザが猛威を振るうのは、12月から3月です。
抗体ができるのに2週間みるとすると、遅くても11月中には予防接種を受けたほうが良いでしょう。
医療機関でもインフルエンザワクチンの接種の適正時期を11月にしているところが多いです。

4.2回接種について

13歳以上になると、インフルエンザウイルスに感染したり、予防接種を受けたりして基礎となる免疫がついてきます。 そのため、予防接種は1回が基本です。
一方、生後6ヶ月以上13歳未満の子どもの場合は2回の接種が必要となります。
子どもの場合、1回の接種では十分な免疫ができないからです。

1回目の接種でできた抗体に、さらにワクチンを追加接種をすることで強い抗体が作られ、インフルエンザウイルスに対しての免疫力がより高まります。
このような効果を「追加免疫効果」や「ブースター効果」と呼びます。

接種間隔は2~4週間とされており、4週間後に追加接種をするのが最も効率よく抗体ができると言われています。
このことから、2回接種のスケジュールは、1回目が10月下旬から11月上旬、2回目が11月下旬から12月上旬に接種するのが理想的です。

この追加免疫効果は、大人にも有効です。 インフルエンザの免疫をしっかりつけたい人は2回接種すると良いでしょう。
大人の2回接種も4週間あけるのが最も効果的です。

5.予防接種の予約

インフルエンザの予防接種の予約受付の有無は、病院によって異なります。
小児科は予約制を取り入れているところが多いのに加え、予約受付が終了するのも早いです。
やはり、お子様はインフルエンザにかかりやすいということで、予防接種を受けさせる親御さんが多いようです。
予約を受け付けない医療機関もあるので、あらかじめ問い合わせすることをおすすめします。

ちなみに私の経験をお話しすると、初めて子供にインフルエンザの予防接種を受けさせようとした時には、予約受付が終了していました。
そこで、近くの内科に問い合わせたところ、予約せずに受けれる病院があったので、無事に接種できました。 翌年からは、9月に2回分の予防接種の予約をとるようにしています。

予約の際、費用は前払いになると思うので接種料金を用意して病院に行きましょう。
地域や医療機関によって費用には差があるので、予約の際に費用についても聞いてみてください。 ちなみに私の住む地域では、大人が2500円、子供が2回分で7000円でした。

最後に

最近では、毎年流行するのが当たり前になっているインフルエンザ。 あなたは予防接種受ける予定はありますか?
インフルエンザは普通の風邪より症状が重く、中には1シーズンに2回かかる人もいます。
感染率を軽減し重症化を防ぐために、インフルエンザの予防接種を受けておくに越したことはないと思います。

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