今からすべき認知症予防 日常生活で注意すべき3つのこと

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高齢化社会・日本。 そして高齢化が進むと増加するのが認知症患者です。
認知症は患者本人ももちろんですが、介護をする人にも大きな負担がかかります。
では、認知症を予防するために今私たちにできることは何なのか。
認知症の原因や症状について解説した上で、日常生活において注意すべきことについてお話しします。

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1.認知症とは

認知症とは、記憶力や判断力に障害が起こり、日常生活に支障をきたす脳の病気です。
私たちの脳の神経細胞は加齢に伴い消失するので、消失すること自体は異常ではありません。
ところが、何らかの原因で通常よりも早く神経細胞が消失すると、認知機能が急激に低下します。
認知機能とは、物事を記憶したり、考えたり、判断するなどの脳の働きのことをいいます。
そしてその結果、認知症を発症してしまうのです。

2.認知症の発症率

日本の総人口に対する、65歳以上の高齢者の割合は年々増加傾向にあります。
そして、高齢になるほど発症率が高くなる病気が認知症です。
そのため、高齢者が増えることで認知症の患者数も増えてしまうのです。

厚生労働省によると、2012年時点での65歳以上の認知症患者は462万人。 つまり、7人に1人が認知症患者という統計を発表しています。
このままのペースで高齢化が進行すると、2025年での65歳以上の認知症患者は、700万人まで増加する見込みです。 これは、5人に1人が認知症患者という計算になります。

3.認知症の症状

認知症の症状には、「中核症状」と「周辺症状」の2種類があります。
中核症状は、脳の神経細胞が壊れることで現れる症状です。 これは認知機能が低下すると誰にでも現れる症状となります。

それに対して周辺症状は、患者さんの性格や周りの環境に大きく左右される症状です。
ですから、必ず現れるというわけではなく、現れる症状も人によって異なります。

①中核症状によっておこる症状

(1) 記憶障害

昔のことから最近起きたことなどが、記憶から抜け落ちてしまう症状です。

(2) 見当識障害

見当識とは、自分の置かれている状況を理解する能力です。
この能力に障害が起きると、日時や場所の理解、方向感覚が失われます。

(3) 判断力障害

物の違いや、自分の行動の良し悪しが分からなくなる障害です。

(4) 失語

言葉の数が少なくなったり、物の名前などが思い出せなくなります。

②周辺症状によっておこる症状

(1) 徘徊

家の中や外を歩き回るといった行動です。
どこかに行こうという目的はあるのですが、自分のいる場所が分からなくなり、戻ってこれなくなるケースも多いようです。

(2) 幻覚・幻聴

本来存在しないものが見えたり聞こえたりする症状になります。

(3) 抑うつ

認知症の発症により、気持ちが落ち込むとうつ病のような状態になることもあります。
意欲の低下、食欲不振、物事に興味を示さなくなるなどの症状が現れます。

(4) 暴力・暴言

認知症を発症すると、自分の思っていることを表現するのが困難になります。
すると、思い通りにいかない不満などが爆発して、暴力や暴言といった行動に現れることもあります。

4.認知症の原因

認知症にはいくつか種類があります。
中でもアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症と呼ばれる3大認知症が全体の認知症の大半を占めています。 それぞれ原因が異なるので、ご説明していきます。

①アルツハイマー型認知症

全体の50%を占める認知症で、最も患者数が多くなっています。
アルツハイマー型認知症は、アミロイドβと呼ばれる異常なタンパク質が脳に蓄積します。
すると正常な神経細胞が壊され、脳が萎縮することが発症の原因です。
アミロイドβが蓄積する原因は明らかにされていません。
ですが近年の研究では、糖尿病や高血圧の人もアルツハイマー型認知症を発症しやすいことが判明しています。

②レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、全体の20%を占める認知症です。
レビー小体という特殊なタンパク質が、脳の広範囲に蓄積し、神経細胞が破壊されることによって発症します。
レビー小体の発生理由も明らかにされていません。 75~80歳の高齢者の患者が多い認知症です。

③血管性認知症

レビー小体型認知症と同様、全体の20%を占める認知症です。
脳梗塞や脳出血、クモ膜下出血など、脳の血管に障害が起こることが原因となります。
そのため、高血圧や糖尿病、脂質異常症を治療、予防すれば、血管性認知症は防ぐことができるのです。

5.日常生活での3つの予防法

①食生活の改善

認知症の発症には、生活習慣病が関連しています。
生活習慣病の予防法として、食生活は大事なポイントです。
脂っこい食事は、血液をドロドロにしてしまい、血栓や動脈硬化の原因となります。
脂っこい食事は控え、魚や野菜中心の食生活にしましょう。
特に積極的に取り入れていただきたいのは、青魚と緑黄色野菜です。

青魚に多く含まれるDHA・EPAには、脳の神経機能の向上や血流促進効果があります。
また、緑黄色野菜にはビタミン類が豊富です。
ビタミンには、体内の老化の原因となる活性酸素の働きを抑制したり、血流促進効果もあります。 このような食材を意識して取り入れることで、生活習慣病の予防につながります。

②適度な運動

適度な有酸素運動は、認知症のリスクを3割も下げられる効果があるとされています。
有酸素運動により脳に酸素を取り込むことで、前頭葉や海馬の血流が増加します。
この2つの働きが活性化されると、記憶力や注意力の機能の向上効果が期待できるのです。

運動は週3日、30分以上行うのが理想的です。 と言っても散歩程度で十分です。
また、趣味に繋がりやすいヨガやプールなどもおすすめです。
楽しみながら運動すると、さらに脳に良い刺激を与えられます。

③睡眠時間の確保

アルツハイマー型認知症の原因物質、アミロイドβは睡眠中に減少します。
睡眠時間が少ないと、アミロイドβが増えやすく、認知症になりやすいという研究結果も出てきています。
睡眠は、脳を休めたり、脳内で不足した栄養を補給する時間でもあります。
脳の健康を保つために睡眠は大切なのです。

最後に

認知症は、発症する20~30年前の生活習慣から影響を受けるといわれています。
まだまだ大丈夫、関係ないと油断してはいけません。
今から規則正しい生活を心掛けましょう。

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