年間通していつでも手に入り、値段も比較的安定しているバナナ。
安価で手軽に栄養補給できるフルーツとして重宝している方も多いと思います。
では、バナナにはどのような栄養や健康効果があるか、ご存知でしょうか?
今回は、最も身近なフルーツであるバナナの栄養や健康効果、おすすめの食べ方などをご紹介します。
1.バナナに含まれる栄養素
バナナ1本の重さは、中ぐらいの大きさで約90g。 以下の数値は、バナナ100gあたりの栄養素です。 少し大きめのバナナをイメージしてください。
・熱量 86kcal
・タンパク質 0.99g
・脂質 0.18g
・炭水化物 20.25g
・ビタミンA 0.45μg
・ビタミンE 0.45mg
・ビタミンB1 0.05mg
・ビタミンB2 0.04mg
・ナイアシン 0.63mg
・ビタミンB6 0.34mg
・ビタミンC 14.4mg
・カリウム 324mg
・カルシウム 5.4mg
・マグネシウム 28.8mg
・リン 24.3mg
・鉄 1.08mg
・亜鉛 0.18mg
・葉酸 26μg
・食物繊維 1.1g (水溶性食物繊維 0.1g 不溶性食物繊維 1.0g)
まるでマルチビタミンのサプリメントのようですね。
バナナにはこんなにもたくさんの栄養素が含まれているのです。
これらの栄養素によって得られる健康効果もたくさんあります。
2.バナナの健康効果
①便秘改善
バナナには、便秘の改善に有効な栄養素である食物繊維が含まれています。
この食物繊維には、便のかさ増しや腸のぜん動運動を促進する不溶性食物繊維と、便の水分調整や善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維の2つがあります。
バナナはこの両方の食物繊維を含んでいるので、便秘に効果的なのです。
また、レジスタントスターチという難消化性のデンプンも含まれています。
この成分は不溶性食物繊維、水溶性食物繊維、両方の食物繊維と同じ働きをするため、食物繊維との相乗効果で便通を促す効果が期待できます。
さらに、善玉菌のエサとなるフラクトオリゴ糖も含まれています。
フラクトオリゴ糖は小腸で分解されずに大腸まで届くので、善玉菌を効率よく増やすことができます。
腸内の善玉菌が増えることで腸内環境が良くなり、便秘も改善されます。
②高血圧の予防
バナナには、1日に必要とされるカリウムの約12%が含まれています。
このカリウムの含有量は、フルーツの中でもトップクラスです。
カリウムは、体内のナトリウム(塩分)を調整する役割があって、余分なナトリウムを体外に排出してくれます。 その結果、血圧を下げる効果が期待できるのです。
③疲労回復・エネルギー補給
バナナには、ブドウ糖や果糖、ショ糖、デンプンなどの糖類が含まれています。
これらは種類によってエネルギーに変換されるスピードが異なります。
ブドウ糖は素早くエネルギーになり、果糖やショ糖、デンプンはゆっくりとエネルギーに変換されていきます。 つまり、即効性・持続性、両方のエネルギー補給に有効なのです。
また、疲労回復に効果があるビタミンBも豊富です。
そのため、スポーツ選手の栄養補給としてよく食されています。
消化・吸収も早いので朝食にもってこいの食材なのです。
④美容効果
バナナには、ファイトケミカルという強い抗酸化力のあるポリフェノールが含まれています。
抗酸化とは、体内の細胞などを酸化させてしまう活性酸素の働きを抑える作用のことをいいます。
バナナに含まれている抗酸化作用のある成分はポリフェノールだけではありません。
β-カロチンやビタミンC、ビタミンEなども含まれています。
高い抗酸化力で細胞の老化を防ぐことができるので、アンチエイジング効果が期待できます。
さらに、美容ビタミンと呼ばれるビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6も豊富です。
これらの栄養素には肌荒れ予防やターンオーバーを促す働きがあり、美肌効果も期待できます。
⑤ダイエット効果
バナナに含まれているビタミンB群やナイアシンには、脂肪の燃焼を促す働きがあります。
そのため、体内に脂肪が蓄積されるのを防ぐ効果が期待できます。
さらに、むくみ改善に効果のあるカリウムや上記の便秘改善効果により、体をスッキリさせることもできます。
3.バナナのおすすめの食べ方
①バナナヨーグルト
切ったバナナをヨーグルトに入れるだけです。 バナナの食物繊維と、ヨーグルトの乳酸菌を一緒に摂取することで整腸作用が高まります。
体の冷えが気になる場合は、耐熱容器にバナナとヨーグルトをいれて、レンジで温めるのもおすすめです。
さらに、お好みできな粉やはちみつ、グラノーラを加えるなどのカスタマイズするのもいいですね。
②バナナと卵でパンケーキ
<材料>
・バナナ 1本
・卵 2個
<作り方>
(1) バナナをフォークなどで潰していきます。
少し熟したバナナを使うと潰しやすいです。
(2) (1)に卵を加えてよく混ぜ、フライパンで焼いたら完成です。
パンケーキ風なのですが、とても簡単にできます。 焼く時にバターを使うのもおすすめです。
③バナナケーキ
<材料 パウンド型1つ分>
・バナナ 1本
・マーガリン 40g
・卵 1個
・ホットケーキミックス 100g
・砂糖 お好みで
<作り方>
(1) ボールにバナナをいれて潰していきます。
(2) (1)にマーガリン → 卵 → 砂糖 → ホットケーキミックスの順に入れ、よく混ぜてください。
(3) パウンド型に流し込んだら、180℃に予熱したオーブンで30分焼いて完成です。
見た目は凝ったように見えますがとても簡単です。 チョコチップを入れてもおいしいですよ。
4.バナナの色別効果
実はバナナは色によって栄養価が異なります。
青みがかったバナナは、レジスタントスターチを多く含有しているため、便秘改善をしたい人は青いバナナを選ぶのが効果的です。
私たちが普段よく目にする黄色いバナナは、ビタミンやポリフェノールをバランスよく含有しています。 抗酸化作用が高いので、美容目的でバナナを食べる場合は黄色いバナナを選ぶといいでしょう。
熟して茶色がかったバナナは、消化酵素が増え、消化や吸収に負担がかかりにくくなります。
消化器官が弱っている時や体調不良の時におすすめです。
5.バナナの保存
バナナを長持ちさせるためには冷蔵保存するのがいいと思っていませんか?
バナナは熱帯地方が原産のため低温に弱い果物で、冷蔵保存してしまうと逆に皮がすぐ黒くなってしまいます。 バナナは常温で保存してください。
そこで、常温保存を前提にひと手間で簡単にバナナを長持ちさせる方法をご紹介します。
それは、房を切り取った部分をラップでサッとくるむだけ。 これだけで何もしない場合と比べて3~5日は長持ちします。
ラッピングすることで空気に触れにくくなり、バナナに含まれる酵素によって酸化が促されて起こる褐色への変化(酵素的褐変)を遅らせることができるのです。
1本ずつ分けてラップすると、さらに効果が高まります。
最後に
バナナは栄養価が高く、さまざまな健康効果が期待できる食べものなんですね。
年間通して安定した価格で購入できるので、続けやすいのも魅力の1つです。
あなたも朝食にバナナを取り入れてみませんか?