半身浴は実は無意味で効果がない 誤解されていた5つの事実とは?

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あなたは「半身浴」を習慣にしていませんか?
ダイエットやデトックスに効くとされているので、取り入れてる人も多いかもしれません。 私も最近までは半身浴派でした。
ところが、この半身浴、実はあまり意味ないということが分かってきたというのです。
意味がないとはどういうことなのか、コトの真相を探ってみました。

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1.半身浴ではやせられない?

半身浴では、ぬるめのお湯を半分だけ張って、その中に長時間浸かります。
全身を熱いお湯に浸けるのに比べて長い時間入っていることができるので、その間どんどんとカロリーが消費され、結果としてダイエットに結びつくように思えます。
しかし、実は半身浴ではほとんどカロリーが消費されないというのです。

例えば、小さいキャラメルを一つ食べると、16kcalのエネルギーが得られますが、
このカロリーを消費するためには、なんと100分間も半身浴をしないといけないのです。 これは「立ち話」10分と同じ消費量になります。
お茶碗一杯のご飯は約240kcalありますので、それを半身浴で消費するには25時間、丸一日以上お風呂に入る必要があるのです。 全身ふやけちゃいますね。

これを40度くらいのお湯に肩まで浸かる「全身浴」にすれば、10分入るだけでウォーキング10分と同じカロリー消費量=40kcal、実に25倍のカロリーを消費します。
このデータを見るかぎり、半身浴はダイエットにはほとんど意味がないようです。

2.代謝アップにはつながらない?

直接のカロリー消費ではなくても、半身浴では身体を長時間温めることで基礎代謝が上がるので、その分ダイエット効果が得られる、ということが言われています。
しかし、どうやらこれも誤解のようです。

2014年に北海道大学の教授が行った実験では、たしかに半身浴をすると基礎代謝量の上昇が見られたそうですが、それが続いたのはたった1ヶ月。
しかも、せっかく上がった基礎代謝も、その後はどんどん減っていったそうです。 残念ながら代謝アップにもまったく効果なしと言えそうですね。

基礎代謝を上げるために必要なのは運動です。 インナーマッスルを増やして自分の力で血行を良くして内部から温めるしかないんですね。
外からいくら温めても代謝量は変わりませんし、血行を促進して身体を温めるのが目的なら、半身浴より全身浴の方が効果が高いのは明らかです。

3.お肌ツルツルも迷信?

さらに、半身浴だと汗がたくさん出るので、毛穴が開くことでお肌の汚れがどんどん流れ落ち、美肌効果があると思われていますが、実はこれも根拠はないんですね。

汗が出てくる「汗腺」と、皮脂が出てくる「毛穴」は別物です。
いくら長時間ダラダラと汗をかき続けても、毛穴にたまった皮脂は流れ落ちるどころか、かいた汗が毛穴にたまってしまい、以前「いちご鼻」の記事でも紹介した「角栓」の原因にもなりかねません。

また、長くお湯に浸かることで、お肌に潤いを与えられるのでは?とも思いますが、これもどうやら迷信のようです。
お肌の保湿に重要な「セラミド」は、お湯に長時間浸かることで溶け出してしまい、逆に乾燥肌を引き起こしてしまうそうです。
しかも、汗をかき続けると体質的に汗っかきになってしまい、角栓ができる原因に…

こうして見てくると、一つもいいことなさそうですね。 短時間の全身浴に切り替えたほうが良さそうです。

4.まさか、デトックス効果もないの?

じゃあ、デトックス効果はどうなの?汗をかけば当然身体の老廃物は流れ出て、キレイになるのは間違いないよね!?と信じる半身浴派の方。
実はこれも効果ないことが分かってしまいました。

体内の老廃物は汗となって出てくるわけではなく、そのほとんどが便や尿となって排泄されるのです。
汗は99.9%、水です。 その中に体の中の汚れは含まれないんですね。 大量に汗をかいても、単に脱水症状を引き起こしてしまうだけです。

そもそも、汗の役割は単なる体温調整です。
温度が上がった皮膚の表面を冷却するためだけのものなのですが、これがなぜか体内の老廃物を排出し、身体を中からキレイにすると誤解されているんですね。
巷には「汗をかいてデトックス!」と謳っている美容商品がたくさん溢れていますけどね。

5.さすがにリラックス効果は…

リラックス効果の感じ方については、人それぞれだと言ってしまえばそれまでですが、これも脳波を調べることで科学的に効果を測ることができます。

熱すぎず冷たすぎないお湯の中に長い時間入り、ぼーっと何も考えずに過ごす半身浴というのは、この忙しい現代社会では贅沢な時間です。
したがって、一定のリフレッシュやリラックス効果はありそうです。

ただ、科学的に見ると、このリラックス効果というのは、脳から出るα波を測定することで比較することができるのですが、半身浴よりも全身を湯船に浸からせたほうが、筋肉の緊張がほぐれてα波が多く出るそうなんです。

どうも人間は「浮力」を感じるとリラックスできるようで、その意味でも全身浴の方が効果が高いというわけです。 これはお母さんのお腹にいた時の記憶なんでしょうか… 不思議です。

6.半身浴は女子のために生まれたのではない?

ここまで5つ、半身浴にまつわる誤解を見てきました。
じゃあなんで半身浴なんてものが生まれたのかというと、もともとは血圧の高い人がお風呂で突然死してしまうことを防ぐために開発された入浴法なんです。

脳卒中や心筋梗塞など、発病すると一瞬で命が奪われるような危険な病気のほとんどは、家庭の浴室で起こっています。
なので、高血圧の人、肺や心臓に病気を持っている人にとっては、上半身に水の圧力がかからず、血液の流れをスピードアップさせにくい半身浴はとても効果があるのです。

それがいつの間にか、長時間お湯に入る半身浴だと汗をたくさんかくので、痩せて、血行も良くなって、お肌もツルツルになって、老廃物も排泄されて、いいことづくめ!のように思われてしまったのですが、実はとんでもない誤解だったんですね。

最後に

半身浴を実践していた女子にとっては、なかなか衝撃的な内容だったのではないでしょうか。
でも、これからのバスタイムは、 湯船にたっぷりをお湯を張り、40度くらいの温度にして、肩まで浸かって、10~20分であがる、といった点を心がけてください。
こうすることで汗っかき体質を回避し、カロリー消費しながらリラックス効果も得られます。
これまでのことは水に流して、「全身浴」に切り替え、身も心もきれいになりましょう。

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