顔や脚、腕などの目に入りやすい部分のお肌はきっちりケアするけど、見えないところはどうも手を抜きがち…なんてことありませんか?
かかとなどはその最たるものです。 一度自分のかかとを見てみてください。 水分が失われてカサカサ・カチカチになっていませんか?
中にはひび割れまで起こして歩くたびに痛んでしまう、という人もいるかもしれません。
今回は、そんな「かかとのひび割れ」の予防法と治し方を見ていきましょう。
1.かかとのひび割れ、なぜ起こる?
かかとがひび割れてしまう原因としては、次のようなものがあります。
①乾燥
足の裏、特にかかとは他の部位とは違って、毛根・毛穴がなくて皮脂が分泌されないために、保湿が難しいんです。
きちんとケアしてあげないと、年齢を重ねるごとにどんどん乾燥していって、最終的にひび割れにつながってしまいます。
②刺激
毎日あなたの体重を支えているかかとは、歩くたびに常に衝撃を受けています。
つきたての柔らかいお餅は叩いてもなんともないですが、カチカチに乾燥したお餅を金槌で叩くと簡単に割れますよね。
かかとも同じで、乾燥したところに刺激を与えることでひび割れがおこるのです。
③角質
毎日刺激を受けるかかとは、自分を守ろうとその角質を分厚くしていきます。
そうなってから、いくらかかとに水分を与えようとしても角質が厚すぎて成分が奥まで浸透せず、保湿できなくるという悪循環に陥ります。
④水虫
実はかかとも水虫にかかります。見た目は単なるひび割れととても似ていますが、その治療にはもっと時間と手間がかかってしまいます。
水虫についてはこの記事の最後にご紹介します。
2.ひび割れの治し方
実際に痛みを感じるほどにひび割れが進行してしまったら、まずはこのやり方を試してみてください。
①かかとを湿らせる
お風呂などでかかとの皮膚に水分を与えます。 熱いお湯に浸けて軽く絞ったタオルなどをあてて、少し蒸らしてもいいでしょう。
②保湿クリームを塗る
かかとのひび割れ部分に、保湿クリームをたっぷりと塗りましょう。
もしあかぎれのようになっていたら、尿素系のクリームを使うとしみる可能性があります。
皮膚の保湿成分である「セラミド」が含まれたクリームを使ってみてください。
③保湿状態を作る
クリームの上にワセリンを上塗りすることで、水分の蒸発を防ぎます。
その上からガーゼを乗せてきっちりはずれないようにテープでとめます。
もし薬局などで医療用のサージカルテープなどが手に入れば、お肌への刺激も少なく使い易いのでおすすめです。
④靴下を履く
通気性のよい靴下を履いて、一晩寝てください。次の朝には少しよくなっていると思います。
それでも効果がなければ、次にご紹介するいろいろな薬を試してみましょう。
3.どんな薬が効くの?
市販の治療薬の中では、次のようなものが効果が高くおすすめです。
①グリセリン
グリセリンは世の中の化粧品のほぼすべてに含まれる万能の美容薬品です。 これを原液のままひび割れに塗ると、驚くほどの効果があります。
②白色ワセリン
こちらもお肌の治療ではよく使われる薬品です。 先ほどの治し方でも紹介しましたが、保湿効果が抜群で、尿素も含まれていないので刺激がなく使いやすいです。
③ユースキンA
血行促進に役立つビタミンEを多く配合しているので、皮膚の再生機能を高め、グリチルレチン酸が炎症を抑えてくれるので、痛み・かゆみが止まります。
④ヒビケア
かかとのひび割れを直接改善する「アラントイン」と、お肌の細胞を活性化することで修復を促す「パンテノール」の相乗効果でひび割れ改善を期待できます。
⑤オロナインH軟膏
「にきび・やけど・ひび・あかぎれ・しもやけ・きず」と、ありとあらゆる皮膚のトラブルに効く万能薬です。
ご家庭に一つはあるかもしれませんので、新しく買う前に一度探してみてはいかがでしょうか。
4.毎日のケアできっちり予防
さて、かかとがある程度元の状態に戻ったあとは、その状態を維持するために日々のケアを欠かさないようにしましょう。
ここまで読んでもらえれば分かると思いますが、かかとのひび割れを予防するには、保湿がいちばん大切です。 特にお風呂からあがるとお肌の乾燥が急激に進んでしまいますので、お風呂上がりにきちんとケアをする習慣をつけましょう。
先ほど挙げた市販のクリーム等をかかとに塗った後、保湿効果を高めるために「サランラップ」を巻きつけるのも効果的です。
さらに、足の裏の健康を保つためには常に清潔にしておく必要があります。
あなたの部屋の床、きちんと掃除してますか? 念のために部屋の中でも靴下を履いておけば、汚れが防げてクッションにもなります。
刺激を抑えられるので、かかとの角質が厚くなることも抑えられます。
5.ひび割れって削ってもいいの?
結論から言うと、あまり良くありません。
かかと専用のヤスリや軽石を使ってかかとの古い角質を削るというのは、たしかに手っ取り早い方法ではあります。 しかし、長い目で見るとデメリットのほうが大きいです。
皮膚には自然治癒能力が備わっているので、削ればその分元に戻そうという作用が働いて、削る前よりもさらに分厚い角質になってしまいます。
今現在、どうにも手に負えないくらいカチカチになっているなら、
・まずはかかとを十分にお湯などでふやかした上で
・それでも硬い部分にだけ軽くやすりを当てる
ということを1~2週間に1回くらいの頻度で続けてください。 決して毎日削ったりはしないように!
これで完全に硬い角質が取れなくても、ある程度緩和されたら、先ほど見た、塗り薬による保湿のケアだけするようにしましょう。
お肌にはできるだけ刺激を与えないようにしてください。
6.それって、もしかして水虫かも…
さて、最初にも書いたように、かかとのひび割れに見えて、実は「水虫」だった、というケースもあります。
かかとにだけ水虫ができるということはあまりなくて、たいていは足の指などにできた水虫菌が角質の奥にまで浸透し、そこからかかとに到達して発症します。
この水虫は痒みや痛みがないことも多く、見た目には単なる乾燥によるかかとのひび割れと大差がありません。
そのため、自覚症状がないまま進行している、という恐ろしい事態もありえます。
白い粉を吹いたようになり、乾燥が激しい冬場以外の季節にも見られるようであれば、かかとの水虫かも?と疑ってかかってください。
そして皮膚科に行って、専門の先生に見てもらいましょう。 素人判断では後々取り返しの付かないことになります。
最後に
今回は、意識して見ないと目に入ってこない部位である「かかと」のトラブル・ひび割れについて考えてみました。
見た目に悪いのも問題ですが、痛みを感じるほどになると、足をかばうように歩くことになって、筋肉や関節に余計な負担をかけてしまいます。 かかとだけでなく全身に悪影響が出てしまうことになるのです。
この記事を参考にして元通りなスベスベのかかとを取り戻してくださいね。