どんなに寝ても眠気が止まらない… それってもしかして「過眠症」かもしれません。
不眠症は割と聞き慣れていると思いますが、過眠症はあまり聞いたことがないという人が多いのではないでしょうか? 今回はそんな過眠症についてお話ししたいと思います。
1.過眠症とは
過眠症は睡眠障害の1つです。
夜しっかりと睡眠をとっていても日中に強い眠気に襲われ、起きているのが困難となる症状のことです。 そのため、授業中や仕事中など常に眠気に襲われている状態になってしまいます。
軽度であれば睡魔に襲われる程度ですが、重度になると睡魔に勝てず眠ってしまい、日常生活が妨げられることもあります。 いくらやる気があっても睡魔が邪魔をして、第三者からはだらしない・やる気がないというイメージをもたれてしまいかねません。
2.過眠症にはタイプがある
過眠症には下記の3タイプがあります。
①ナルコレプシー
居眠り病と呼ばれ、過眠症の原因の大半はこのナルコレプシーと言われています。
短い睡眠を何度も繰り返す症状です。 1度の睡魔は数分から数十分ですが、2~3時間後にはまた眠気に襲われます。 目覚めはすっきりしており、日中ずっと眠気があるというより突然ストンと眠りに落ちてしまうタイプです。
そのため、会議中や運転中など常識的に寝てはいけない状況でも突然眠ってしまうケースもあります。 人によっては緊張すると眠気に襲われる場合もあるようです。
②突発性過眠症
夜の睡眠を通常通りもしくは長時間とっていても、日中に1~4時間の睡眠をとってしまう症状です。
眠らせる脳の働きが強すぎことで強い眠気が襲ってきます。 長時間眠っても目覚めが悪く、ずっと眠気を感じる状態が続きます。
③反復性過眠症
1日に16~18時間という超長時間睡眠をとるのが特徴です。
10代男性の発症率が1番高く、昼夜関係なく眠気に襲われます。 そのため、一般生活に支障をきたします。
「突発性過眠症」「反復性過眠症」の患者数は極少数となっています。
3.過眠症チェック
下記のような症状が1つでも当てはまり、その症状が1カ月以上続いていたら過眠症の可能性があります。
・読書中やテレビを見ながら居眠りしてしまう
・日中に眠くなり、頭がボーッとする
・授業中や会議中に居眠りをして、他人に注意されたことがある
・人と話している最中に眠気に襲われる
・午後、体を横に倒しただけですぐ眠ってしまう
・運転中に突然眠くなり、危険を感じたことがある
・注意力や集中力がなく、勉強や仕事がはかどらない
・日中、何かしようと思っても意欲がわかない
4.過眠症の原因
過眠症の原因についてはっきりとは解明されていませんが、下記のような要因が過眠症を引き起こす原因と考えられています。
・ストレス
・鬱病などの精神疾患
・不規則な生活
・アルコールの過剰摂取
・睡眠薬の副作用
・肥満
・遺伝
5.過眠症の対策
①睡眠の質を上げる
いくらしっかり寝ても眠くなるのには、睡眠の質に問題がある可能性があります。
眠りが浅いことで満足な睡眠を得られていないケースもあるのです。 改善するためには以下のポイントを心掛ける必要があります。
・寝る1時間前にパソコンやスマートフォンやテレビを見ない
・入浴は睡眠の2時間前に済ませる
・夕食などを終えたら間接照明で過ごす
・日中に階段を上ったり、歩くことを心がけ軽い運動をする
このようなポイントを意識すると、安眠物質と呼ばれる「メラトニン」が増えやすくなります。 すると深い眠りにつくことができ、睡眠の質をあげることができます。
②睡眠リズムを整える
睡眠中はレム睡眠とノンレム睡眠が90分間隔で交互にやってきます。
レム睡眠は浅い眠りで、身体は深く眠っていても脳は活発に動いています。 それに対してノンレム睡眠は、深い眠りで脳も身体も休んでいる状態です。
そのため、起床する時間を脳だけ覚醒しているレム睡眠に合わせると、すっきり目覚めることができます。
レム睡眠が訪れるタイミングは、入眠してから6時間後、7時間半後、9時間後となっています。
③カフェインを摂取する
カフェインには脳を活性化させる効果があります。 コーヒーや紅茶、緑茶などでカフェインを摂取しましょう。
脳を覚醒させるためには、午前9:30~11:30にカフェインをとるのが1番効果的です。
④ストレスを緩和する
強いストレスを感じることで気分が塞ぎ込みがちになり、過眠症の症状が現れるケースがあります。
そのため、ストレスを緩和することも過眠症対策になります。 友人と美味しい食事を食べたり、好きな入浴剤をいれて湯船に浸かったり、リラックスできる時間を作りましょう。
ストレス解消方法を運動にすると、睡眠の質も上げることができますよ。
最後に
やる気がない・だらしないと思われがちですが、過眠症も立派な睡眠障害なんです。
過眠症を緩和させるためには周りの人の協力や理解も必要になってきます。 1人で抱えこまずに、周囲と相談しながら過眠症と向き合っていきましょう。