一般検診(健康診断)では不十分?人間ドックの内容と費用は?

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定期的な健康診断は、生活習慣病の予防や病気の早期発見に有効です。
ただ、残念ながら健康診断だけでは不十分な可能性があるため、それを補うために「人間ドック」があります。
よくテレビ番組の企画で、芸能人が実際に人間ドックを受診していますね。
今回は、一般検診と人間ドックについてお話しします。

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1.一般検診の項目

一般検診(健康診断)は、事業主が従業員に年に1回受診させることが法律で義務づけられています。
なので、会社に勤めている方は毎年受診していると思います。
専業主婦でご主人の扶養に入っている場合には、健康診断費用の補助を受けられることが多く、手軽に受けやすい検診となっています。

<検査項目>

(1) 問診

問診では、喫煙歴や服薬歴、その他医師の質問に答えたり、自覚症状の有無などを答えます。

(2) 触診

触診は、名前の通り、医師が実際に触れて診察をおこないます。?
手で触れることで、痛む場所やしこりの有無を調べます。

(3) 身長、体重、腹囲、BMI

身長、体重、腹囲をそれぞれ測定して、BMI数値を計算します。
この数値を求めることで、自分の肥満度がわかります。

(4) 視力

視力検査器や表を使い、片目ずつ視力を測定します。
それにより、近視や乱視などといった水晶体の屈折異常を調べることができます。

(5) 聴力

聴力を調べて、外耳、中耳、内耳に異常がないかを調べます。
検査には、高周波と低周波を使用します。

(6) 血圧

手動式や電子式の血圧計で上腕部を測定し、高血圧や低血圧の有無を調べます。
血圧の数値は、最高血圧が140mmHg未満、最低血圧が90mmHg未満が正常値とされています。

(7) 胸部X線

X線検査とは、レントゲン検査のことをさします。
X線を胸部に照射し、撮影をして体内の異常がないかを調べます。

(8) 血液検査

採血をして、血中の数値などに異常がないかを調べます。
一般検診で調べる項目には、貧血、血糖、血中脂質、白血球、赤血球、肝機能検査などがあります。

(9) 尿検査

尿を採取して、尿中の糖や蛋白の有無を調べます。
そこから、糖尿病や肝臓病などの診断ができるのです。

上記の項目が、一般検診の基本的な検査内容となります。

2.一般検診でがんの発見はできる?

一般検診では、身体に異常がないかを調べることを目的としており、特定の病気の発見を目的に行われるわけではありません。
それゆえ、がんを見つけるためには実は一般検診だけでは不十分なのです。
がんの発見には、胃カメラや細胞検査などの詳しい検査が必要となります。

3.人間ドックの内容

人間ドックは、一般検診の検査項目に加え、腹部の超音波検査や内視鏡、胃カメラなどを使用します。 一般検診よりも高度な検査となり、検査項目も一般検診と比べてはるかに多いのが人間ドックです。
そのため、一般検診では発見しにくいとされる、がんなどの病気を発見することが可能となります。

<検査項目>

(1)問診
(2)触診
(3)身長、体重、腹囲、BMI
(4)視力
(5)聴力
(6)血圧
(7)胸部X線
(8)血液検査
(9)尿検査

(1)~(9)の検査方法は、一般検診と同様です。

(10) 眼底、眼圧検査

眼底検査は、特殊な検査眼鏡を使用して、眼底写真を撮影します。
そこから網膜や血管に異常がないかを調べる方法です。
眼圧検査は、眼に少量の空気を吹きかけて、眼の柔らかさを測定する方法になります。

(11) 胃X線又は胃カメラ

胃X線は、バリウムと呼ばれる造形剤を飲み、上部消化器に異常がないかをX線(レントゲン)を用いて検査します。
胃カメラはファイバースコープと呼ばれる内視鏡を使用して、上部消化器に異常がないかを調べる方法です。
粘膜の色や凹凸などの精密な検査ができるため、がんの発見率は胃X線よりも高く、胃X線では発見できない逆流性食道炎の診断も可能です。

(12) 腹部超音波検査

エコー検査とも呼ばれ、腹部を超音波で調べる検査方法です。
まず、画像がきれいに写るように検査用ゼリーを塗った後、超音波を腹部の皮膚表面に当てます。 そして、内臓から返ってきた音波を画像にし、臓器や血管の異常がないかを調べます。

(13) 内視鏡検査

(11)で胃の内視鏡検査をご紹介しましたが、内視鏡検査にはもう1つあります。 それが大腸の内視鏡検査です。
肛門から内視鏡を挿入し、モニターに写された映像をもとに、腸内の状態を細かく診察します。 この検査を受けるには、あらかじめ下剤や浣腸などを使って腸内をきれいにしておく必要があります。

上記の項目が日帰りの人間ドックの基本項目となります。
そして、人間ドックにはもう1つ、1泊2日のコースもあります。
こちらのコースは、日帰りコースプランにプラスして、喀痰(かくたん)検査、骨密度測定、胸部CTなどが加わります。

人間ドックは、一般検診のような義務化はされておらず、検査内容や費用は病院ごとに設定できるようになっています。
そのため、人間ドックを受ける際は、人間ドックの検査項目をチェックしてみて、自分が調べてほしい内容に力を入れている施設を選ぶようにしましょう。

4.人間ドックの費用

先述のように、一般検診は法律によって年に1回の受診が義務づけられています。
それに対して、人間ドックは義務化されておらず、自由診療となります。
健康保険が適用されないため、全額自己負担となります。

人間ドックの費用は、日帰りプランだと約4万円程度、一泊二日だと約6~7万円が相場となっています。
ただし、人間ドックでがんなどの重大な病気が見つかった場合は、少し費用が変わります。
重大な病気が見つかりそのまま治療を行なう場合には、人間ドックが治療の一部と見なされるのです。 そのため、医療費控除の対象となり、人間ドックの費用が控除となります。

最後に

あなたは一般検診で、がんなどの病気も発見できると思っていませんでしたか?
私は一般検診で十分だと思っていましたが、違うのですね。
ただ、人間ドックは発見できる病気も多い反面、高額な費用もかかります。
頻繁に受診するのは難しいとしても、できれば定期的に受診したいところです。

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