現在食用油ブームということもあり、いろいろな油が販売されていますよね。
油によって特徴もさまざまです。 なので、何を選んでいいのか迷ってしまうこともあるかもしれません。
そこで今回は、食用油の種類と特徴、健康効果などについてお話しします。
1.食用油とは
油には植物性と動物性があり、油の種類は脂質の主成分となる脂肪酸の種類によって分けられます。
脂肪酸は大きく2つに分けられます。
①飽和脂肪酸
1つ目は「飽和脂肪酸」と呼ばれる脂肪酸です。
常温で固形になる特徴があり、肉類や乳製品などの動物性のものが多いです。 代表的なものとしてラウリン酸、バルチミン酸、ステアリン酸があります。
飽和脂肪酸は体内で作ることができます。 そのため、たくさん摂取する必要はありません。
②不飽和脂肪酸
2つ目は「不飽和脂肪酸」と呼ばれる脂肪酸です。
常温で固まりにくく、植物油や魚油の物が多いです。 代表的なものとしてオレイン酸、リノール酸、リノレン酸があります。
不飽和脂肪酸はさらに「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分かれます。
一価不飽和脂肪酸はオメガ9、オレイン酸に分類されます。 食べ物からも摂取できますが、体内で作ることもできます。
多価不飽和脂肪酸はオメガ3、オメガ6に分類されます。 この脂肪酸は体内では作ることができません。
そのため「必須脂肪酸」と言われ、食べ物から摂取しなくてはなりません。
以上が脂肪酸の特徴になります。
この脂肪酸の種類によって食用油の性質が決まります。
少し前置きが長くなってしまいました。 それでは、代表的な食用油の種類や特徴などをご紹介していきます。
2.食用油の種類・特徴
①サラダ油
原料:ほとんどの植物油
名前の通り、サラダに使用するという意味が由来です。 精製した植物油を使用した精製度が最も高い油になっています。 色が淡く匂いが少なくクセがありません。
また、保存性がよく風味が変わらないので、普段使いの油に適しています。
サラダ油は加熱料理・非加熱料理どちらの方法でも使用できます。
②キャノーラ油(菜種油)
原料:菜種の種子
サラダ油同様、くせがないので使いやすい油です。
食用として、ドレッシングや炒め物、揚げ物など幅広く使用できます。
③べに花油
原料:紅花の種子
紅花の種子には油が45%も含まれています。
紅花油にはオレイン酸が多いものとリノール酸が多いものの2種類あるのが特徴です。
オレイン酸タイプは加熱調理向き、リノール酸タイプは生食向きとされています。ちなみにどちらも風味は軽いです。
④ごま油
原料:胡麻
胡麻には50%の油が含まれています。
胡麻を炒ってから絞ると、お馴染みの茶色く独特の風味を持ったごま油になります。
胡麻を炒らずに絞ると太白ごま油という、無色で香りもない油ができます。
どちらも主成分はオレイン酸とリノール酸になっています。
加熱調理でも使用できますが、風味を楽しむなら仕上げにかけるのがよいでしょう。
⑤オリーブ油
原料:オリーブの実
主成分はオレイン酸で70~80%含まれています。
香りや風味が豊かなエキストラバージンと、香り・風味ともにマイルドなレギュラータイプがあります。
オリーブ油は食用だけではなく化粧品や薬品にも使用されている万能オイルです。
食用としては、加熱調理でも使用できます。 しかし、風味などを楽しむなら、ドレッシングやアイスにかけたりと生食で使用するといいでしょう。
髪の毛の保湿や肌の乾燥が気になる時に、クリームに少し混ぜて使うと肌がしっとりします。
⑥えごま油
原料:えごまの実
えごまは別名「ジュウネン」と呼ばれます。
東南アジア原産の一年草で、胡麻とはまったくの別物です。
豊かな風味をもち、必須脂肪酸のオメガ3に分類されるa-リノレン酸が豊富です。
a-リノレン酸は体内で代謝されるとEPA・DHAになる点が特徴です。
熱に弱く酸化しやすいため、ドレッシングや熱い料理に使用する際は食べる直前にかけて下さい。
以上が代表的な食用油の種類と特徴です。
油によって熱に弱い物があったり風味が弱くなってしまうものがあります。
上記の特徴を参考にして使い分けてみてくださいね。
それでは次に、食用油がもたらす健康面への影響についてお話ししたいと思います。
3.食用油がもたらす健康効果
油の脂質は、タンパク質・糖質と並ぶ三大栄養素の1つです。
ですから、私たちの健康を維持するのに重要な栄養素となっています。
脂質は私たちが活動する際のエネルギー源になります。 また、体を構成する細胞の膜になる役割があります。 細胞の膜になる働きによって、
・免疫力の向上 ・炎症やアレルギーの緩和
・体温維持 ・肌や髪の潤い保持
などの効果があります。
また、血液循環をよくする働きもあるので
・高血圧予防 ・血栓予防 ・便秘改善
・脳梗塞、心筋梗塞の予防
などの効果があります。
油=太ると言うイメージですが、実はこのような健康効果があるのです。
最後に
食用油は正しく摂取することで素晴らしい健康効果があります。
オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸は体内で作ることができないので積極的に取り入れてみましょう。 ちなみに、食べ物では青魚に多く含まれていますよ。
現在ではオイル専門店などができるほど、たくさんの種類の油が出回っています。
ぜひ自分に合う油を見つけてみてください。