α波が心や身体にいい影響をもたらすという話は、あなたもご存知だと思います。
このα波を自分でコントロールできたらいいと思いませんか？
実は、少しの工夫でα波の分泌を促すことができるんです。
一体どうやってα波をコントロールするのか、その方法をご紹介します。
1.α波とは
α波とは、人の脳から出る脳波の1つです。
脳波はその時の精神状態を数値化したもので、日常生活では主にα波とβ波の2つが交互に現れています。
脳波を表すときには「Hz(ヘルツ)」という周波数を使いますが、α波はこの数値が8～13Hzとなります。
α波は体がリラックスしている時や、集中力が高まっている時に現れ、別命「ひらめきの脳波」とも呼ばれています。
α波になると脳がリラックスした状態になると思われがちですが、実際にはリラックス状態の脳がα波を発しているのです。 そのため、日頃からα波を多く分泌させるためには、脳をリラックス状態にすることがポイントとなります。
しかし、日頃のストレスなどによって体が緊張した状態ではα波は現れません。
それどころか、ストレスが蓄積されると健康に悪影響をもたらす可能性も高まります。
そのため、日頃の生活に少し工夫を施してストレスを和らげてあげる必要があります。
2.α波の効果
α波の状態になると、β-エンドルフィンと呼ばれるホルモンが脳の中心部にある下垂体から分泌されます。
エンドルフィンには痛みを和らげる働きがあり、このことから「脳内モルヒネ」「脳の快楽物質」という呼び名がついています。
このホルモンの働きにより、次のような効果が期待できるとされています。
・ストレスの緩和
・集中力や記憶力の向上
・不眠症の改善
・疲労回復
・老化防止
・免疫力の向上
ストレスは体を緊張状態にさせ、血行不良、高血圧や心筋梗塞、がん、うつ病、更年期障害、不眠症、肩こりや腰痛といったさまざまな病気を引き起こす原因となります。
この点、α波には、ストレスを和らげたり体をリラックスさせることで緊張をほぐし、上記のような病気を予防する効果も期待できるのです。
次の項目から、α波を引き出す具体的な方法についてご紹介していきます。
3.α波を引き出す方法① 音
音は直接脳波に働きかけます。
なので、リラックスできる音や音楽を聞くことは、脳波をα波に導くのに効果的なのです。
基本的には、自分が聞いていて心地よくなる音楽であればどのようなジャンルの音楽でもいいとされています。
ただ、テンポが早かったり歌詞が入っているもの、変化の多い音楽は脳を興奮させやすい傾向があります。
この点、α波が出やすい音楽として「1/fゆらぎ」と呼ばれるものがあります。
1/fゆらぎは、一定の周波数や振動をもつ音楽のことをいい、人がもっとも心地よく感じやすいリズムを持っています。
このような音は、川のせせらぎや鳥のさえずり、波の音など、自然の中に多く存在しています。 音楽では、モーツァルトの楽曲が1/fゆらぎを最も多く含んでいると言われています。
このような音や音楽を聞くことで、活動的な時に優位になる交感神経の興奮を抑えてくれます。 その結果、心身がリラックス状態になってα波が現れやすくなるのです。
4.α波を引き出す方法② 呼吸法
ストレスを抱えていたり、不安や緊張をしている人は呼吸が浅い傾向があるとされています。
呼吸が浅いと体の隅々まで酸素を行き渡らせることができません。
その結果、体内は酸欠状態となり、体が緊張状態になりやすいのです。
これを解決するのは簡単です。 意識して深い呼吸を行えばいいのです。
酸素をしっかり取り入れれば、酸欠状態は解決できます。
無意識で呼吸するよりも、意識して深い呼吸を行うことで、1回の酸素の吸入量は3倍にも増えるとも言われています。
深い呼吸をすることで体の緊張はほぐれ、リラックスした状態になります。
つまり、α波が出やすい環境を整えられるのです。
呼吸を深くするには、胸ではなくお腹で呼吸をすることを意識してください。
まずはお腹を膨らませながら、鼻から息を吸い込みます。
そして次は、お腹をへこませながら口から息を吐きだしましょう。
この呼吸方法を意識すると、自然と呼吸は深くなります。
5.α波を引き出す方法③ アロマ
アロマとは、植物の香り成分を抽出したエッセンシャルオイルで、植物によってさまざまな香りや効能があります。
アロマの代表的な効果にリラックス効果が挙げられます。
香りは脳に直接働きかけるので、アロマは脳をリラックスさせるのに効果的なのです。
1番簡単な方法は、ハンカチやティッシュにアロマを1～2滴たらして香りを嗅ぐ方法です。
鼻に近づけて嗅いでもいいですし、部屋に置いて空気中にアロマの香りを拡散させるのも効果があります。
リラックス効果があるアロマの代表的なものをいくつかご紹介しておきますね。
・イランイラン（精神の安定）
・ラベンダー（鎮静効果）
・ゼラニウム（ストレス緩和）
・サンダルウッド（緊張を抑える）
参考にしてみてください。
最後に
α波には心にも体にも嬉しい効果がたくさんあります。
自分が心地よく感じる音や音楽を聞く、深呼吸する、アロマの香りを嗅ぐ。
こららの方法を取り入れて、α波を引き出してみましょう。
