AGE(終末糖化産物)をご存知ですか?
老化や病気を引き起こす物質として最近注目のキーワードになっているようです。
今回は、AGEとは何なのか、どんな食品に含まれているのか、どうやって防止すればいいのか、といった点について解説します。
1.AGEとは
AGEとは「終末糖化産物(Advanced Glycation End Products)」の略称で、簡単に言うと「たんぱく質と糖が温められて作成される物質」のことです。
AGEが作成され、体内に蓄積されるしくみは2通りあります。
①体内で作成される
血液に含まれているブドウ糖が増加すると、たんぱく質に結びつき、体温で温められてAGEが作成されます(糖化)。
糖化され、たんぱく質がAGEになっても、すぐに糖の量が下がれば元のたんぱく質に戻ります。 しかし、そのまま糖の量が増え続けると、AGEはやがて毒性の強い成分になります。
体内で作られるAGEの量は、以下の計算式で求められます。
「血糖値x持続時間」
つまり血糖値が高ければ高いほどたんぱく質とよく結び付き、AGEは増加していくのです。
②体外から摂取する
たんぱく質と糖が温められてできるのがAGEであると先述の通りです。
実は、普段摂取している食べ物の多くは、たんぱく質と糖が温められているんです。
つまり、AGEができあがっているものを摂取していることになります。
飲食物に含まれているAGEの一部はそのままきちんと消化されるのですが、残り7%ほどはそのまま体内に溜まってしまいます。
2.AGEが及ぼす影響
AGEはその強い毒性から「老化」を進める物質として現在注目されています。
では具体的にAGEはどのような影響を体に及ぼすのでしょうか?
①シワやたるみ
肌のハリは本来コラーゲンやたんぱく質によって保たれています。
そのコラーゲンが長い年月をかけて太陽の光などを浴び、糖化されAGEとなり、コラーゲンが持っている弾力性がなくなります。
その結果シワやたるみを引き起こしてしまうのです。
②骨がもろくなる
骨にはコラーゲンが豊富に含まれており、骨のコラーゲンが糖化してしまうと、骨の強度が下がり骨粗しょう症になりやすくなります。
また、AGEによって破壊された骨は血液の中へ流れていってしまうため、動脈硬化の原因にもなってしまいます。
③動脈硬化を引き起こす
コラーゲンは内側の内皮細胞と外側の平滑筋細胞の間にもあり、クッションのような役割を果たしています。
このコラーゲンが糖化すると、血管の弾力がなくなり固くなります。
こうして血管が硬くなると、血栓ができやすくなって全身の血管で動脈硬化を引き起こすのです。
④白内障を引き起こす
黒目の奥で光を調整している水晶体は、「クリスタン」というたんぱく質から生成されています。
このたんぱく質が糖化すると紫外線と酸化が加わって水晶体が白くにごってしまい、白内障を引き起こしてしまいます。
お肌や血管に含まれているたんぱく質とは異なり、クリスタンはターンオーバーしない物質です。 それゆえ、AGEが年と共に蓄積されてしまいます。
3.AGEが多いまたは少ない食べ物
ではどのような食べ物にAGEが多く含まれていて、どのような食べ物は少ないのかを見てみましょう。
①AGEが多く含まれている食べ物
トンカツ
唐揚げ
ステーキ
焼き鳥
ホットケーキ
焦げ目のついている料理にはAGEが多く含まれているものが多いです。
特に動物性脂肪食品に多く含まれています。
②AGEが少なめな食べ物
サラダ
お刺身
漬物
米
炒めたり、揚げたりせずそのまま食べる料理は比較的AGE含有量は少なめです。
ちなみに、清涼飲料水はそれ自体にAGEが多いという訳ではないのですが、
清涼飲料水が含んでいる人口甘味料は、ブドウ糖のおよそ10倍の勢いでAGEの作成を促してしまう成分なんです。
特に「果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」「異性化糖」と記載がある場合には、過剰摂取に気を付けてください。
4. 糖化を防ぐ「抗糖化」の作用がある食品を摂取しよう
一度糖化してしまった物質を体の外に排出することは、糖化すぐだったら可能ですが、時間がたってしまうとできません。
つまり糖化を体に蓄積させないためには、
・糖化をなるべく早く燃焼させてしまう
・糖の吸収を防ぐ
・糖化を阻止する
以上の3つが大事になってきます。
そこで、糖化を抑えてくれる食べ物・飲物をご紹介します。
①糖の代謝を活性化させる食べ物
・ビタミンB1:豚ヒレ・豚ロース・鯛・グリーンピース・枝豆
・αリポ酸:ブロッコリー・トマト・ホウレンソウ・卵黄
・コエンザイムQ10:ごま油・いか・落花生
豚肉に関しては、脂質を増やしすぎると糖化の原因になってしまうので、なるべく脂身の少ない豚ヒレ・豚ロースを選ぶようにしましょう。
ベーコンやハムはNGです。
②糖の吸収を防ぐ食べ物
・食物繊維:焼き海苔・わかめ・こんぶ・納豆
食事を食べる前に摂取するとより効果が上がります。
最初に食物繊維で膜を作っておくことで後から摂取する糖の吸収を抑えてくれます。
③糖化を阻止する食べ物
糖化を防いでくれる食品のことを「抗糖化食品」といいます。
・生姜:糖化阻止率 93%
・クミン:糖化阻止率 86%
・黒コショウ:糖化阻止率 50%
・バジル:糖化阻止率 45%
・リンゴ:糖化阻止率 45%
・レモン:糖化阻止率 37%
・ニンニク:糖化阻止率 31%
・オレンジ:糖化阻止率 29%
これらの食材は高い糖化阻止率を誇っています。
日常でも取り入れやすい食材が多いのが嬉しいですね。
④糖化を阻止する飲み物
飲み物にも糖化を防いでくれるものがあります。
・お茶
・どくだみ茶
・ルイボスティー
・カモミールティー
こちらの飲み物にはAGEを体の外へ排出する働きを持っています。
最後に
私はAGEという言葉を最近になって知りました。
いつまでも若々しくいるために、抗酸化だけでなく抗糖化も意識しながら食べる物や飲む物を選ぶようにしたいですね。