カプサイシンは危険?過剰摂取で思わぬ副作用を発症する可能性

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カプサイシンと言えば、辛い料理に使用されているイメージが強いですよね。
適量であれば体を温めるなど、さまざまな健康効果が期待できるカプサイシンですが、過剰摂取すると危険性がある成分でもあります。
今回は、このカプサイシンについてお話しします。

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1.カプサイシンとは

唐辛子に含まれる辛味をもたらす主成分で、香辛料や刺激剤などにも用いられています。
体内の感覚神経を刺激する作用があり、舌などの局所に刺激作用や辛味を感じます。
また、唐辛子の品種によってカプサイシンの含有量に差があるため、刺激や辛味の度合いが異なります。 ちなみに、国内産ではタカノツメが最も辛いそうです。

カプサイシンの特徴は、長時間の加熱調理や冷凍保存をしても辛味を保有し続けることです。
それは、カプサイシンの辛味成分に含まれている「アルカロイド」という成分の働きによるものです。

唐辛子は、日本では薬味に使用する程度であまり料理に使われませんが、世界各国において煮込み料理や炒め料理などに使われ、親しまれています。

2.カプサイシンの効果

①食欲増進

カプサイシンの辛味で舌や胃を刺激することで、唾液、胃液の分泌が活発になります。
そのため、食欲増進効果があります。

②健胃作用

胃への刺激作用により、胃の働きが活発になります。
胃粘膜の血流が増えることで胃が保護されます。
また、抗菌・殺菌作用が強く、唐辛子を頻繁に食べる人は胃潰瘍になりにくいとされています。 しかし、摂取しすぎると逆効果なので注意が必要です。 この点は後述します。

③生活習慣病の予防

カプサイシンの辛味を料理に利用することで、塩分を減らしてもしっかりと味付けできます。
そのため、塩分過多による高血圧の予防をすることができます。
また、肥満の予防や免疫力を高める効果もあるので、生活習慣病や風邪の予防効果が期待できます。

④脂肪分解作用

カプサイシンは中枢神経を刺激してアドレナリン(副腎から排出されるホルモンで、強心作用や血管拡張作用がある)の分泌を促します。
それにより脂肪を分解する酵素が活性化され、エネルギー代謝が活発化。 体脂肪を燃焼させて体から余分な脂肪を落としてくれます。
唐辛子を食べたあとに体が熱くなったり、汗が出るのはこのためです。
脂肪が燃焼されるため、ダイエットにも効果的です。

⑤保温作用

代謝がよくなることで体が温まります。
そのため、冷え性やむくみ、肩こりの改善にも効果を発揮します。

3.カプサイシンの危険・副作用

①摂取する量について

カプサイシンには有毒性があり、体重1㎏あたり60~75㎎の摂取が致死量とされています。
つまり、体重45㎏の人がカプサイシンを2700㎎摂取してしまうと命の危険があるのです。
もっとも、唐辛子1gあたりカプサイシンは約3㎎程度しか含まれていません。
最低でも1㎏の唐辛子を食べなければ致死量には至らないので、普通の食べ方をするかぎりは気にする必要はないと言えます。

②脳に及ぼす影響

人は刺激や痛みを感じると、脳に大きなストレスがかかります。
カプサイシンの刺激によって生じる脳のストレスがアドレナリンの分泌を引き起こします。
このアドレナリンには抗ストレス作用があるのですが、過剰分泌されるとパニック障害やうつ、睡眠障害などの精神障害を引き起こしてしまうのです。
これらをまとめて「火病」といい、唐辛子の摂取量が多い韓国特有の精神障害の一つとされています。

③消化器系への影響

カプサイシンは適量であれば健胃作用があります。
しかし、過剰摂取すると、胃に与える刺激が強すぎて胃の粘膜を傷付けてしまいます。
胃の粘膜が傷つくことで、胃痛や胃炎、腹痛、下痢を引き起こす可能性があります。
そのため、胃が弱い人や子供の摂取には注意が必要です。

また、唐辛子の摂取量が多いメキシコでは、唐辛子を多量に食べる人ほど胃がんのリスクが高いという報告もされています。

④味覚障害

唐辛子を食べ過ぎると舌が痛くなりますよね?
これが重症化すると、味覚を感じとる「味蕾(みらい)」と呼ばれる器官がマヒしてしまいます。 その結果、味覚障害を起こし、食べ物の味が分からなくなってしまう危険があります。

⑤ガンの誘発性

カプサイシン自体には発ガン性はありません。 しかし、過剰摂取をするとガン細胞と戦う免疫細胞の働きを弱めてしまいます。
そのため、ガンの発生を促進する可能性が増すと言われています。

最後に

適量であれば様々な健康効果をもたらすカプサイシンですが、過剰摂取は上記のような危険をはらんでいます。
日本では薬味として使用することが多いので、普段通りの使い方をしていれば問題ないと言えます。 寒さが厳しい季節は、適量のカプサイシンで体を温めましょう。

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