疲れた時に飲むと効くとされているエナジードリンク。 最近は自動販売機やコンビニなどでも手軽に購入できるようになりました。
一方で、エナジードリンクには思わぬ危険が潜んでいることも指摘されています。
今回は、そんなエナジードリンクの光と影についてお話ししたいと思います。
1.エナジードリンクとは
炭酸が強く、甘さと爽やかなフレーバーが心身をリフレッシュしてくれる飲料です。
栄養ドリンクと似たような謳い文句で宣伝されていますが、分類は「清涼飲料水」に分類されます。 そのため、栄養ドリンクのような効能表示はできません。
海外発の飲み物ですが、日本で販売するには食品衛生法の規制に服するため、成分が日本向けに一部アレンジされています。
また、日本人の体の大きさも考慮され、190~250mlサイズが一般的です。
2.エナジードリンクの成分
エナジードリンクの成分はメーカー、種類によって異なりますが、多くのエナジードリンクに共通する主成分についてご紹介したいと思います。
①カフェイン
ほぼすべてのエナジードリンクに80~160mgのカフェインを配合されています。
覚醒作用があり、眠気覚ましとして使われたりする成分です。
カフェインの効果は6時間程持続すると言われています。
また摂りすぎてしまうと、カフェイン中毒になったりと依存性を持っています。
②アルギニン
日本でタウリンは医薬品の成分にあたるため、エナジードリンクには使用できません。
アルギニンはタウリンの代用として配合されています。
血管拡張作用、成長ホルモンの分泌促進効果があります。
③ナイアシン
ナイアシンは、水溶性ビタミンの一種です。
ほとんどのエナジードリンクに配合されている成分になります。
糖質、脂質、タンパク質の代謝を促す効果があります。
3.エナジードリンクの効果
主な効果は、糖分による血糖値の上昇とカフェインによる覚醒作用です。
体は疲労状態になると、血液中の血糖値(糖分の濃度)が低下します。 すると、身体のダルさや頭の回転が悪くなるなどの症状がでます。
それをエナジードリンクに含まれる糖分で血糖値を一気に上昇させるとともに、カフェインの覚醒作用で眠気やダルさを改善するのです。 これがエナジードリンクの主な効果です。
しかし、エナジードリンクはあくまでも清涼飲料水なので、医薬品のような効果はありません。 プラシーボ効果によって、元気が出たと錯覚することはあるかもしれませんが…
※プラシーボ効果
偽薬効果とも呼ばれています。
暗示的効果により、思い込みが身体的あるいは精神的に変化を起こすことを言います。
4.エナジードリンクの危険性
①カフェインによる影響
カフェインは少量であれば健康にいい成分です。
しかし、過剰摂取をすると劇薬となってしまいます。
カフェインには致死量があり、1時間の間で体重10㎏あたり2gの摂取が致死量となります。
実際に、エナジードリンクの飲み過ぎによる死亡事件が日本でも起きています。
また、カフェインには神経毒や依存性があります。
そのため、過剰摂取をすると心臓麻痺や痙攣、カフェイン中毒といった症状を引き起こす可能性もあるのです。
②糖分による影響
糖分はエネルギー源として、人が生きていく上で欠かせない成分です。
ですが、カフェイン同様、糖分も過剰摂取をすると身体に悪影響をもたらします。
糖尿病を始め、物覚えが悪くなる、うつになりやすい、老化促進、内臓・血管への負担など身体に様々な影響を及ぼす可能性があります。
1日の砂糖の目安摂取量は25gです。
エナジードリンクは1本(200ml)には、およそ24~26gの糖分が含まれているので、1本飲んだだけで1日の摂取量に到達してしまいます。
③アルコールとの同時摂取
エナジードリンク割りを取り扱ってるお店もありますが、おすすめできません。
アルコールとエナジードリンクを同時に摂取すると、アルコールの吸収率が高くなります。
そのため、アルコール依存性やお酒が弱い人は急性アルコール中毒を引き起こすリスクが上がります。
5.エナジードリンクの副作用
カフェインの持続効果は6時間程度ありますが、効果が切れると疲れがドッと押し寄せてきます。 また、カフェイン中毒の人の場合、禁断症状としてイライラしたり、頭痛が起きやすくなります。
さらに、カフェインに弱い人がエナジードリンクを飲むことで、体が過剰反応を起こして動悸が出ることもあるようです。
6.子供によるエナジードリンクの摂取
イギリスではドラッグ並に有害であり、未成年の飲用を禁止するべきという警告が出されています。
エナジードリンクに含まれる多量の砂糖とカフェインが、子供たちの多動症や夜更かしの常習化、睡眠障害を招くとされているからです。
また、成長ホルモンの分泌が阻害され、成長期の子供の発育に悪影響が出る可能性も指摘されています。
最後に
私も以前にエナジードリンクを飲んだことがありますが、気持ち悪くなってしまったのがトラウマで、それ以来飲んでいません。
好きな人に言わせると、ジュース感覚で飲めてしまう上、その独特の味が癖になってしまうそうです。 過剰摂取は危険ですので絶対にやめてくださいね。