爪には過去数カ月間の健康状態が記録されています。 爪の色やツヤを見るだけで自分の健康状態が分かるのです。 爪が「健康のバロメーター」と言われる所以です。
そこで今回は、爪の色や形で分かる健康状態や病気の危険性をご紹介します。
1.爪の色でわかる病気や健康状態
ピンク色でツヤのある爪は健康状態良好の証です。
ピンク色と言いましたが、実は爪自体には色はありません。 血管が透けて見えることで爪に色があるように見えるのです。
体の血流の状態で爪の色が変化するため、健康状態が確認できるというわけです。
①白っぽい爪
白っぽい又は蒼白している爪は貧血の疑いがあります。
またすりガラスのように濁っている場合は、肝硬変(80%の人に表れるそうです)や糖尿病など、内蔵の病気の可能性があります。
部分的に白い斑点が見られる場合は全身疲労や貧血による血液変化の一症状だそうです。
②黄色い爪
新陳代謝の低下や爪の水虫、肺や気管支の病気の可能性があります。
水虫の場合は1本の指から変色が起こります。 また、肺や気管支の病気の場合は全ての指が同時進行で変化するそうです。
③赤い爪
赤い爪の場合は多血症(赤血球が増える)や動脈硬化の可能性があります。
また、赤黒い場合は肝硬変や肝臓病の可能性があります。
④黒い線が入った爪
黒い線が入っている場合、ほとんどがホクロだと言われています。 しかし、この線が濃くなるとメラノーマと呼ばれる皮膚ガンの可能性があります。
⑤緑の爪
緑膿菌などの細菌感染を起こしている可能性があります。
緑膿菌とは、真正細菌に分類される菌で、傷口に感染すると緑色の膿(うみ)が出るという特徴があります。
消毒薬や抗菌薬に対する抵抗力が高く、発症すると治療が困難とされています。
⑥紫の爪
唇が紫になる症状と同じチアノーゼ状態の可能性があります。 また、心臓病や肺疾患の可能性も考えられます。
チアノーゼとは、全身が酸素不足に陥っている状態をいいます。 血液の酸素濃度が薄くなるため、唇や爪、皮膚や粘膜などが青紫になります。
2.爪の形でわかる病気や健康状態
①スプーン爪
スプーンのように爪がくぼんでいる形のことを言います。
鉄分不足による貧血が原因で起こります。 そのため、女性でスプーン爪になる人が多いそうです。 重症なものだと子宮筋腫や子宮内膜症の可能性があります。
このスプーン爪は、先天性の場合もあるそうです。家族の中に同じような爪の人がいる場合には、先天性の可能性もあります。
②二枚爪
爪は3層になっています。 その1番上の層にあたるエナメル質が剥がれて2枚になってしまうことを二枚爪と言います。
原因としては乾燥や貧血、血行不良が考えられます。
③ばち指
指や爪がばちのように丸くなる状態のことを言います。 ばち指の症状がある場合、肺がんや心臓疾患の疑いがあります。
肺がん患者の6割がばち指の症状が出るそうです。 そのため、肺がんの初期症状が体調に表れていなくても早期発見に繋がる場合があります。 また、慢性的な下痢でもなることがあります。
3.爪表面のでこぼこの原因
①縦線によるでこぼこ
主な原因は乾燥や加齢によって起こります。 40歳以上の人はほぼ100%見られる症状だそうです。 基本的には心配する必要はありません。
<対策>
縦線のでこぼこ対策は保湿になります。 ネイルオイルやハンドクリームで爪の乾燥を防ぎましょう。
②横線によるでこぼこ
栄養不足やストレス、爪の根元にダメージを与えるなどして爪の成長が抑えられた時に表れます。
しかし、でこぼこが深い場合、内臓疾患の兆候があります。 そのため、でこぼこが深く感じる場合は早めに皮膚科や内科を受診してください。
③でこぼこが浅い場合の対策
甘皮を処理する際に爪にダメージを与えないように気をつけましょう。
また爪の主成分であるたんぱく質、代謝を促す亜鉛を摂取して栄養補給をするのも効果的です。 さらに、爪は寝ている間に作られるので睡眠時間をしっかり確保してください。
④湾曲でこぼこ
爪が薄く、先端が湾曲している状態を言います。
原因としては栄養状態による体調不良が考えられます。
<対策>
食事制限など無理なダイエットをしている人は今すぐやめて下さい。
食事は栄養バランスを意識した食事をとりましょう。 食事で得た栄養を効率よく吸収するためには睡眠や適度な運動も大切です。
規則正しい生活を心がけることで、湾曲でこぼこ対策になります。
最後に
爪の色や形で健康状態を確認できるなんて意外ですね。
病気などの場合は、症状が出る前に爪にシグナルを出している可能性があります。 それを見逃さないためにも、日頃自分の爪をチェックする習慣をつけるといいでしょう。