近年スーパーフードとして注目をあびているキヌア。 名前を聞いたことがあるという人は結構いらっしゃることでしょう。
スーパーフードと呼ばれるだけあって、キヌアは豊富な栄養素を含み、さまざまな効果があるとされています。 今回は、そんなキヌアについてお話しします。
1. キヌアとは
キヌアとは、ヒユ科アカザ亜科アカザ属の植物です。
主に南米のアンデス山脈で栽培されている擬似穀物になります。
疑似穀物とは、米や麦などのイネ科や大豆などのマメ科ではないものの、見た目がそれらに類似しており種子を食べられるものをいいます。
キヌアの歴史は古く、紀元前5千年頃には食されていたそうです。
キヌアは、一般的に穀物として扱われていますが、生物学的な分類は、ほうれん草の仲間になります。 見た目は直径1~2㎜の丸い粒で、白・赤・黄色の鮮やかな色が特徴です。
冒頭でも触れましたが、キヌアは豊富な栄養を含むスーパーフードです。
生命力が強く、農薬や肥料を使わなくても標高2500m以上の高原地帯でも育ちます。
この並外れた栄養価と生命力が、世界の食料危機を救うと国連に評価され、2013年には「国際キヌア年」が制定されました。
キヌアに注目をしたのは国連だけではありません。 NASAも「21世紀の主要食」と評価しており、将来の宇宙食として研究しているそうです。
2.キヌアの栄養素
では、ここでキヌアに含まれている栄養素をご紹介します。
・たんぱく質
・脂質
・食物繊維
・カリウム
・カルシウム
・マグネシウム
・リン
・鉄分
・亜鉛
・葉酸
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ビタミンB6
・ビタミンE
さらに、フェトエストロゲン(植物性ホルモン)や必須アミノ酸9種類をすべて含んでいます。
白米と比較してみると栄養価は歴然です。
たんぱく質は白米の2倍、脂質は5倍、食物繊維は8倍、カリウムは6倍、カルシウムは10倍、マグネシウムは7倍、鉄分は8倍、白米よりも多く含まれています。
小さな粒にこんなにたくさんの栄養素が含まれているとは驚きですね。
3.キヌアのカロリー
低カロリーと思われがちですが、100gあたりのカロリーは367kcalです。
白米の100gあたりのカロリーが356kcalなので、白米よりもわずかに高い数値となっています。
ただし、キヌアは茹でると5倍近い体積に膨らみます。
その結果、摂取量を少なくできるので、低カロリーに抑えることができるのです。
4.キヌアの効果
①美肌・美髪
キヌアには、コラーゲンの生成に欠かせない必須アミノ酸の「リジン」が含まれています。
そのため、肌や髪の毛の再生機能が高まります。
さらに、タンパク質やビタミンB群も豊富なので、シミやしわの予防や肌荒れの改善が期待できます。
このような効果はお肌だけではなく、ダメージヘアの修復にも効果があります。
②ダイエット
先述の通り、キヌアは水を吸うと膨らみます。
このかさ増し効果によって食事の量を減らせるので、ダイエット効果が期待できるのです。
さらに、キヌアは低GI食品です。
GI値とは、食後の血糖値の上昇度合いを100の数値で表したもので、この数値が低いほど、食後の血糖値が上がりにくいことになります。
血糖値が上がりにくい=食品に含まれる糖質を吸収しにいため、脂肪の蓄積もしにくくなります。 つまりGI値が低いほど、太りにくい食品ということなのです。
キヌアのGI値は35なので、かなり低めの数値となっています。
かさ増しすることで食事の量を減らして体脂肪の蓄積も抑えるキヌアは、ダイエットにもってこいの食品といえます。
③貧血・冷え性
キヌアには、血液の生成に必要な成分となる葉酸と鉄分が豊富に含まれています。
鉄分の含有量は、ほうれん草や小松菜の2倍以上、葉酸の含有量は、ほうれん草には劣るものの、その他の緑黄色野菜に相当するそうです。
さらに、血流をサポートするビタミンEも含んでいます。
血液量が増えるだけでなく血流もよくなるので、貧血や冷え性の改善効果が期待できます。
④女性特有の悩み
キヌアには、フェトエストロゲン(別名・植物エストロゲン)という成分が含まれています。
この成分は、体内で女性ホルモンのエストロゲンと同じような働きをしてくれます。
そのため、更年期障害や骨粗しょう症の予防効果があるとされています。
フェトエストロゲンには、ホルモンの分泌量に応じてその働きを調節する働きもあります。
ホルモンバランスを整えてくれるので、生理痛や生理不順、不妊といった女性特有の症状の改善効果も期待できます。
5.キヌアの食べ方
キヌアにはクセがなく、ほとんど無味なのでさまざまな料理に応用しやすいです。
サラダやスープに入れたり、ご飯と一緒に炊いたりとアレンジ方法はさまざまです。
すぐに使えるように、茹でたキヌアを密閉容器に入れて常備しておくと便利です。
冷蔵保存で2~3日、冷凍保存であれば2~3週間保存が可能です。
<キヌアの茹で方>
キヌアの表面には、サポニンという苦味成分が含まれています。
調理前に3~4回水をかえて、しっかり洗い流しましょう。
洗い終えたら、キヌア1 : 2水の割合で鍋に入れ、フタをして強火にかけます。
沸騰して弱火で10~15分茹でれば完成です。
しっかり洗う手間はありますが、あとは茹でるだけなので簡単でいいですよね。
最後に
キヌアはスーパーフードと呼ばれるだけあって、その栄養価の高さは折り紙つきなんですね。
また、アレルギーフリーのため、穀物アレルギーの人でも食べられるそうです。
普段の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。