今回は、全4回のホワイトニング特集の最終回になります。
ホワイトニングの方法としてオフィスホワイトニングとホームホワイトニングがあることは、これまでの3回の記事で見てきた通りです。
両者には施術方法や効果の持続期間など、さまざまな違いがありましたね。
今回はその違いについてさらに詳しく解説していきます。 どちらが自分に向いているのか見極める資料にしていただければと思います。
1.オフィスホワイトニング
一般的には、ホワイトニングとはオフィスホワイトニングのことをさします。
ホワイトニングの先進国はアメリカとされていますが、これには裏話があります。
実は、オフィスホワイトニングの薬剤は、日本の製薬会社が開発したものです。
しかし、日本の厚生労働省が当初この薬剤を認可せず、しばらくの間国内では使用できませんでした。 一方、アメリカのFDA(食品医薬品局)はこれをいち早く認可しました。
その結果、ホワイトニングはアメリカで普及することになり、アメリカがホワイトニング先進国になったのです。
閑話休題。 オフィスホワイトニングは、歯科医院やホワイトニング専門クリニックで歯科医に施術してもらうので、安全面が保証されています。
このオフィスホワイトニングの最大の魅力は、1度の治療で効果があらわれる即効性です。
大人の歯の色はおおよそ8~9トーンの明るさに分類されますが、1度の施術で1~2段階白くなります。
初めて施術を受ける場合は、週1回の治療を3週続けると3~5トーン白くすることができます。 なので、始めは3回連続で治療をするのがおすすめです。
治療時間も1回30分~1時間と短時間で終わります。
3回の治療を終えてしばらくすると、色戻りが始まるので気になりだしたらまた通院して治療を受けます。 定期的なメンテナンスの目安は3ヶ月~半年に1回です。
<施術手順>
オフィスホワイトニングの手順は以下のようになります。
①口の中に虫歯や歯周病があるかチェック後、クリーニングをして歯石や歯垢などの歯の表面の汚れを取り除きます。
②ホワイトニング前の歯の色を確認するために口内の写真を撮ります。
③歯にホワイトニング剤を塗布します。
薬剤濃度が15%~35%のものを1~2mm厚で塗布していきます。
この時に痛みやしみがないかを確認します。
④一定時間放置します。
薬剤を塗布したあと2~3分放置します。
⑤ライト照射
ホワイトニング剤を活性化させるために、ライトを当てます。
⑥薬剤をしっかり洗い流します。
痛みやしみが出た場合はこの後フッ素を塗布する場合もあるそうです。
③~⑥を5~6回繰り返して1回の治療が完了となります。
1回の治療で満足いく白さになった場合は、この後メンテナンスになりますが、多くの人が再度ホワイトニング治療を受けるそうです。
<2回目以降の治療>
①しみや痛みなどがないかを確認します。
②ホワイトニング効果を写真を撮って確認します。
③上記の③~⑥を3回程度繰り返します。
この治療を希望の白さになるまで繰り返していきますが、大体平均で2~4回の通院で治療終了になるようです。
ホワイトニング終了後の注意点は、
・24~48時間は禁煙する
・24時間は着色しやすい飲食を避ける
という2点になります。
ホワイトニング後の24時間は、歯の表面を保護しているタンパク質が一時的に消失するため、着色しやすい状態になっています。 上記の注意点を必ず守るようにしましょう。
着色しやすい飲食物として代表的なものは、
<飲み物>
・コーヒー ・紅茶 ・ウーロン茶 ・赤ワイン
・コーラ ・ココア
<食べ物>
・カレー ・ミートソース ・キムチ ・チョコ
・合成着色料が含まれている物
このようなものの飲食物の他にタバコや口紅、うがい薬も着色しやすいので控えてください。
ホワイトニングが人気になったことにより、現在ではオフィスホワイトニングもさまざまな種類があります。 そこで次に、オフィスホワイトニングの種類をご紹介します。
2.オフィスホワイトニングの種類
①ティースホワイトニング
先ほどご紹介したホワイトニングの1番ベーシックな方法です。
薬剤を歯に塗布したらライトを照射して、歯の色素を分解することによって歯を白くします。
施術時間は1回30分前後で、1回の施術で1~2段階白くすることができます。
料金は1本につき2,000円~1万円ほどです。
②ブライトホワイトニング
NASAが開発したホワイトニングマシンを使用していて、現在最も効果のあるホワイトニング方法とされています。
通常は数秒しか連続照射できないとされているプラズマライトを強力な冷却装置を設置することによって連続で20分照射し続けることが可能です。 独自のアーチ型のプラズマライトは、上下奥歯まで均一に光があたるように設計されています。
1度で同時に20本前後の歯を施術でき、1回の施術でなんと8~10トーンも白くできます。
施術時間は1回90分程度で、料金は20本で60,000円~100,000円ほどです。
③LEDホワイトニング
青色LEDをアーチ型にして口内全体に光が当たるようになっています。
プラズマライトより効果は弱くなりますが、発熱が少なく知覚過敏などの副作用が出にくくなっています。
1回の施術で3~6段階白くできます。
施術時間は1回1時間で、料金は12本で30,000円~50,000円ほどです。
④ポリリン酸ホワイトニング
過酸化水素水を使用せず、医薬部外品のポリリン酸を使用するので、痛みやしみ、副作用がほとんど出ないホワイトニング方法です。
ホワイトニング効果以外に虫歯や歯周病の予防もすることもできます。 ただし、薬剤が低刺激な分、真っ白な歯にすることはできません。
1回の施術で1~2段階白くできます。
施術時間は1回30分、料金は1本500円ほどと非常にリーズナブルです。
⑤セルフホワイトニング
酸化チタン配合のジェルを自分で歯に塗布してLEDライトを当てて白くする方法です。
ポリリン酸と同様で、こちらも過酸化水素を使用していないので、痛みやしみ、副作用の知覚過敏はありませんが、繰り返し行っても歯を真っ白にすることはできません。
1回の施術で1~2段階白くできます。
施術時間は1回30分で、料金は1回数千円からとなっています。
これらがオフィスホワイトニングの種類になります。
料金や施術時間、自分がどの程度歯を白くしたいのかによって治療法を選ぶとよいでしょう。
副作用やデメリットについては、ホワイトニングの危険性についての記事を参照して下さい。
それでは次に、もう1つのホワイトニング方法であるホームホワイトニングについて詳しくご説明したいと思います。
3.ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは歯科医指導の下で自宅で自分で行う方法です。
最大の魅力は、自分が望む白さまで自分のペースでできるということです。
しかし、オフィスホワイトニングのような即効性はありません。
効果が出始めるのに2週間程度かかり、初めての場合、満足のいく白さになるまで2ヶ月以上かかることもあります。 ただ、毎日続けて行うことでオフィスホワイトニングより白くすることができて、色戻りもしにくいという利点があります。
施術時間は1回2時間となっています。
薬剤の濃度や指導元の医院によっては4時間だったり、就寝時(6時間以上)の施術を推奨するところもあるようです。
オフィスホワイトニングに比べて時間が長いのは、薬剤の濃度が低く光照射がないからです。
医師の説明をしっかり聞いて、それに従って施術してください。
<薬剤について>
ホームホワイトニングではジェル状の薬剤を使用します。
注射器型の容器に入っていて、押し出して使用します。
1度で使い切れなかった場合、冷暗所に保管しておくと再度使用できるそうなので、冷蔵庫に保存するのがいいでしょう。
<医院での施術方法>
①虫歯や歯周病がないかをチェックしたあと、歯のクリーニングをして表面の汚れを取り除きます。
②歯型をとりマウスピースを作成します。 完成までに1週間程度かかります。
③マウスピースに隙間などないか確認した後、使用法の説明を受けて薬剤を受け取ります。
ここまでが歯科医院で行う施術で、この後は自宅での施術になります。
<自宅での施術方法>
①施術をする前に丁寧に歯ブラシをします。
歯に汚れがついているとホワイトニング効果が出にくくなってしまうので、いつもより念入りに歯ブラシをして汚れを取り除きます。
②マウスピースの歯1本ずつに米粒大のジェルを入れていきます。
薬剤が歯の表面に当たるように入れてください。
③マウスピースを装着します。
装着した際にジェルがはみ出たら拭き取ってください。
強く噛み締めたりするとマウスピースが破損してしまう可能性があるので、噛み締めたりしないようにして2時間装着します。 施術中の飲食はできません。
④マウスピースを外し口内を洗い流します。
マウスピースを外したら、しっかりと水で洗い流します。
お湯で洗うとマウスピースが変形してしまう場合もあるので、必ず水で洗うようにしてください。
マウスピースだけでなく口の中もしっかり洗い流します。
ジェルの洗い残しがあると汚れがつきやすくなってしまうので気をつけてください。
初めての施術から1週間後に、歯科医院で痛みやしみなどがないか確認します。
歯が白くなっているか確認後、必要ならジェルを追加で処方してもらうこともできます。
以上がホームホワイトニングの施術方法です。 回数を重ねることでどんどん白くなるので、できるだけ毎日施術するようにしてください。
注意点としては、1人で継続的に施術を行わなければならないので、強い意志がないと続かないことが挙げられます。
これ、結構重要なポイントです。 忙しい人や生活が不規則な人は、よく考えてから始めないと、途中で挫折しかねません。
また、ホワイトニング治療中も、オフィスホワイトニングと同様、着色性の強い飲食物の摂取は控える必要があります。 ホームホワイトニングは最短でも2週間はかかるので、その期間中は食事がある程度制限されてしまいます。
なお、歯並びが悪い人や矯正中の人はホームホワイトニングはできないので、オフィスホワイトニングでの治療となります。
4.ホワイトニングの費用
①オフィスホワイトニング
白くしたい歯の本数や希望の白さによって料金は変わりますが、歯科医院で20,000円~60,000円、ホワイトニング専門クリニックで5,000円~30,000円が相場となります。
②ホームホワイトニング
ホームホワイトニングはオフィスホワイトニングより安く治療を受けることができます。
歯科医院では20,000円~50,000円、ホワイトニング専門クリニックで15,000円~35,000円が相場となります。
1番安くホワイトニングを受けられるのは、ホワイトニング専門クリニックでのホームホワイトニングです。
結論
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングどちらを選ぶべきかは、一概には決められません。 ご自身の生活スタイルや歯の状態、予算などに照らして、自分にあった物を選ぶ必要があります。
最も効果的なのは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用して行うデュアルホワイトニングです。 しかし、相当な時間と費用がかかるので、一般向けではありません。
大事なのは、オフィスにせよホームにせよ、まずは信頼できる歯科医を見つけることです。
以前に「腕の良い歯医者の選び方」という記事を書いていますので、ぜひ合わせてご覧ください。 これらの記事があなたのホワイトニング選びの一助となれば幸いです。