歯のホワイトニング特集3回目は、ホワイトニング効果が出にくい歯やホワイトニングができないケースについてです。 どのような歯だと効果が出にくいのか、どういったケースだとホワイトニング治療ができないのか、具体的に説明していきます。
1.ホワイトニング効果の出にくい歯
①歯の神経が死んでいる
歯の神経が死んでしまっている歯は血液循環がないため、歯の内部が変色してしまいます。
そのため、通常の外側からのホワイトニングでは効果がありません。
外側からではなく内側から歯を白くするインターナルブリーチという方法で白くします。
インターナルブリーチとは、神経の穴を再びあけてその部分にホワイトニング剤を入れる施術方法です。
②エナメル質が薄くなっている
エナメル質とは、歯の内側にある象牙質をコーティングしている部分を言います。
このエナメル質は、普段の食事や歯磨きなどで少しずつ薄くなっていくのですが、薄くなることで歯の色の元となる象牙質が透けやすくなってしまいます。
そのため、ホワイトニング効果が実感できにくいことがあるのです。
③抗生物質によって着色してしまった歯
象牙質やエナメル質が形成される8歳頃までの間に、テトラサイクリン系の抗生物質を使用した際に起きた着色は、着色の濃さや場所によっては白くならないことがあるそうです。
テトラサイクリンとは子供の風邪薬に含まれていた成分で、歯の変色が問題となってからはほとんど使用されていません。
④歯に詰め物が多い
ホワイトニングできるのは天然歯のみなので、虫歯治療の際の詰め物は白くできません。
そのため、歯に詰め物が多い人はホワイトニングの効果が出にくい可能性があります。
⑤金属による着色
歯の裏に金属が詰まっている方で金属が歯に溶けだして黒っぽくなってしまっている歯はホワイトニングの効果が出にくいそうです。
⑥歯が厚い
元々の歯にしっかりした厚みがある方は薬剤が浸透しにくい場合があり、効果が出にくいことがあります。
⑦歯の表面に凹凸がある
歯の表面に凹凸があると、光の反射具合で白く見えにくいと言われています。
上記の状態の歯は、ホワイトニングをしても思うような効果が出ないことがあります。
次に、ホワイトニングができないケースについてご説明します。
2.ホワイトニングができないケース
次に挙げる症状がある方や対象に当てはまる方はホワイトニング治療が受けられません。
①虫歯や歯周病がある
虫歯や歯周病があると、ホワイトニング剤がしみて痛みが出てしまったり、脱灰などで虫歯を悪化させてしまうことがあります。 そのため、虫歯や歯周病の治療を済ませてからでないと、ホワイトニング治療をすることができません。
ただし、虫歯が初期の状態の場合はできることもあるようなので、歯科医に確認してみてください。
②もともと知覚過敏がある
知覚過敏に関しては、ホワイトニングの副作用の記事で触れましたが、もともと知覚過敏の方はしみる症状がさらに悪化します。
そのため、知覚過敏の治療をしてからホワイトニング治療を受けることになります。
③ホワイトニングしたい箇所が人工歯の場合
ホワイトニングできるのは天然歯のみで、セラミックや金属、プラスチック製の入れ歯や差し歯などの人工歯は白くすることができません。
④妊娠中
妊娠中はホルモンバランスが乱れやすく、体もデリケートな体質になっています。
薬剤による影響がまったくないとは言えないので、念のためにホワイトニング治療は控えた方がいいでしょう。
⑤歯に異常がある
歯の成長過程において何らかの異常があり、エナメル質と象牙質が十分に成長しきれなかった状態の「エナメル質形成不全」や「象牙質形成不全」の方は、
ホワイトニング治療を受けることができません。
⑥未成年のホワイトニング
過酸化水素は刺激が強いため、ホワイトニング治療を受けられるのは成人してからが基本となります。
最近では過酸化水素を使用しないホワイトニング治療もあるのですが、いくら低刺激の薬剤でも、やはりホワイトニングは歯の石灰化が完了してからにするべきです。
最後に
見てきたとおり、ホワイトニングには効果が出にくい歯や治療できないケースがあります。
歯科医の指導を受けないで行うホームホワイトニングにおいては、注意が必要です。
詰め物が多い方は、ホワイトニングを終えた後に詰め物を詰め直すことで綺麗な仕上がりになるそうです。 ホワイトニングの効果がどの程度期待できるのか、1度歯科医に相談してみるといいと思います。