献血のメリットがいろいろとすごいらしい 実際に体験してきました

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駅などで献血を呼びかけているのを見かけたことはありませんか?
針で血を抜くわけですから、注射が苦手な人は遠慮しがちですよね。
貧血にならないか心配という人もいるかもしれません。
でも、献血ってネガティブなことばかりではないんです。
今回は、そんな献血について私の体験談と合わせてお話しします。

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1.献血とは

献血とは輸血や血液製剤のために、無償で血液を提供することで、日本では日本赤十字社が献血を行なっております。
献血により提供された血液は感染症検査後、血液を必要とする各医療機関などに提供される仕組みになっています。

2.献血の歴史

近代の科学的な輸血法が日本に入ってきたのは1919年です。
この頃はまだあまり注目されていませんでした。
しかし、1930年に起きた浜口首相発砲事件の際、輸血で命を取りとめたことをきっかけに世間の注目が集まり、輸血が一般的に行われるようになりました。

当初は「まくら元輸血」といって、提供者から採血した血液をそのまま患者さんに輸血する方法で行われていました。
ところが、この方法には安全性に問題があり、1948年に輸血による梅毒感染という事故を招くことになります。
梅毒とは、トレポマーネという病原菌による感染症です。 感染部にしこりができる特徴があり、現在は性行為による感染が主な原因となっています。
今は早期治療で完治しますが、昔は不治の病として恐れられていました。

この事故がきっかけとなり、厚生省は本格的に血液事業に乗り出します。
1952年には日本赤十字社が設立され、日本初となる血液銀行が開業したのです。

しかし、これと相前後して生まれた民間の商業血液銀行が有償で血液の買い取りを始めます。
戦後復興の生活苦の中で、無償か有償かといったら、ほとんどの人は後者を選びます。 売血が盛んとなり、無償での献血者はほとんど現れません。
そして、お金目当てに頻繁に採血する人が増えたことで血液の質が悪くなり、大きな社会問題となりました。

そこで政府は、1964年に輸血用血液は有志による無償の献血によってのみ確保することとし、
その後試行錯誤を繰り返しながら現在の献血方法に辿り着いたのです。

現在、日本赤十字社は92の病院と79の血液センターを運営。
赤十字病院は第3次医療機関に指定され、救急医療の最後の砦となっています。

3.献血の種類

①全血献血

血液中のすべての成分を献血する方法です。
この献血方法には400L献血と200L献血があります。
採血時間は10~15分程度です。

(1)400L献血
医療機関から要請を受ける90%は400L献血で採血されたものだそうです。
できるだけ血液を混ぜすに輸血することで、患者さんへの負担や副作用の発生を抑えることができるからです。
そのため男性は17歳以上、女性は18歳以上で体重が50kg以上の人には400L献血の協力を促しています。

(2)200L献血
年齢は16歳から献血可能です。
この血液は主に乳幼児や低体重の人に使用されているそうです。

②成分献血

成分採血装置を使い、血小板、血漿(けっしょう)といった特定の成分のみを採血する方法です。
体内で回復するのに2~3週間かかる赤血球を体内に戻すので、献血者の身体への負担が軽く、多くの成分を効率よく採血することができます。
しかし、採血にかかる時間は45~90分と長くなります。

(1)血小板献血
大量出血時や白血病、がんの治療の補助として使用されます。

(2)血漿
血液を固める凝固因子補充のための輸血に使用されます。
また、血液凝固因子製剤などといった血液製剤の製造にも使用されているそうです。

4.輸血用血液の不足

血液や血液製剤は長期保存することができません。
そのため、血液センターでは、必要とされる血液量をあらかじめ予測して献血の協力を呼びかけています。

しかし、献血者数は年々減少傾向を辿っていて、中でも若い人の献血率は下がり続けています。 このままの状況が続くと、血液需要がピークとなる2027年には、85万人分の血液が不足するとの推計が公表されています。

85万人分もの血液が不足してしまうというのは大問題です。
若い人たちが少しでも献血に関心を持ってくれるといいなと思います。

5.献血のメリット

①血液検査を受けられる

献血の際、健康診断などで行われるのと同じ血液検査を無料で受けることができます。
この検査では、生化学検査と血球計数検査を行います。

生化学検査ではコレステロール値や血糖値などがわかります。
血球計数検査では貧血の有無や、赤血球の数に異常がないかを確認できます。
自費でこの検査を受けると1万円ほどかかるので、勤め先に健康診断がないという人には嬉しいメリットかと思います。

②お菓子やジュースの飲食ができる

献血の前後、無料でお菓子やジュースの飲食ができます。
ドリンクメニューが充実していたり、アイスなどのデザートを置いてある施設もあります。

③粗品がもらえる

献血後に食用品や日用品などの粗品がもらえます。
施設や時期によって内容は異なります。

④ボディーケアや美容ケアを受けられる

カイロプラティックという体のゆがみを治す施術やハンドマッサージ、なんとネイルなどをやってもらえる施設もあります。
ネイルのサービスは女性にはとても嬉しい特典ですね。

⑤自分の健康状態を管理できる

献血には「複数回献血クラブ」というものがあります。
このサービスは過去の献血記録をネットで一覧できたり、成分献血を予約できたりします。
過去の献血記録や血液検査の内容を見ることができるので、健康管理の方法として有効活用できます。

⑥ボランティアに協力することへの喜び

献血は立派なボランティア活動です。
スタッフの方たちからの「ありがとうございます」という言葉で、困っている人のお役に立っているという満足感を得ることができます。
ボランティア活動への参加意欲がある人や、「どうせ自分なんか」などと気持ちが塞ぎがちの人はぜひ参加してみましょう。

6.献血による副作用

気分不良、吐き気、めまい、失神、脱力感、針を刺した部分の皮下出血といった副作用がまれに起こるそうです。
採血中に強い痛みを感じたり気分が悪くなったら、すぐに看護師や職員に知らせてください。

また、空腹時や脱水状態で献血を行うと副作用が起こりやすくなります。
予防策として採血前にはしっかり水分補給をしてください。

7.献血時の痛み

針の抜き刺しの際はチクっとした痛みを感じます。
ですが、献血の最中は痛みを感じない人が多いといいます。

8.献血ができない人

・体調がすぐれない人
・服薬中の人
・出血を伴う歯科治療を受けた人
・一定期間内に予防接種を受けた人
・6ヶ月以内にピアスをあけたり、入れ墨をいれた人
・海外旅行または海外生活の経験がある人
・妊娠中、授乳中の人

上記のような人は献血を行うことができない可能性があります。
もっと詳しく知りたい人は、日本赤十字社のHPを参照してください。

9.実際に献血を体験してきました

2月の初め、献血者が不足するであろう雪の日をあえて選んで、ターミナル駅近くのオフィスビル内にある血液センターを訪れました。

まず入口で血圧を測った後、受付で欠格事由に該当しないかを1つづつ確認していきます。
そして400ml献血か成分献血かを選択します。 私は初めてということで、針を刺している時間が短い400ml献血を勧められ、同意しました。
次に医師による問診を受け、受付で確認した事項の一部をもう一度聞かれます。

問診後すぐに2ccほど採血してヘモグロビン濃度の測定と、初めての場合は血液型の確認を行います。
ヘモグロビン濃度を測定するのは、貧血の心配がないかをチェックするためだそうです。

この後水分補給と空腹の場合はお菓子を食べるよう促されました。
自販機の飲み物もお菓子もすべて無料で、量に制限もありません。
自販機にはコーヒー紅茶や各種ジュースのほか、コーンスープやオニオンスープなんかもありました。 お菓子はチョコ系のものとお煎餅がそれぞれ数種。

コーヒーとお菓子をつまみながら5分くらい待っていると、いよいよ採血室からお呼びがかかります。
椅子は歯医者さんにあるようなタイプのもので快適です。
400ml献血では針を刺している時間は10分ほど。 刺す時と抜く時には痛みがありましたが、採血中は大丈夫でした。
気分が悪くなることもなく、あっさり終わった感じです。 採血直後に立ちくらみを起こすこともありませんでした。

採血が終わると30分ほど水分補給をしながらの休憩をとるよう指示されます。
待合室にはテレビのほかマンガ本もあるので、退屈しません。
私が行った献血ルームは高層階にあったので、眺望を楽しむこともできました。
献血から1週間ほど経ってこの記事を書いていますが、特に副作用を感じたことはありません。

最後に

血液が人工的に製造できない以上、輸血による救命医療は健常者の善意によって支えていくしかありません。
今回、実際に献血してみて思ったのは、粗品や飲食し放題という俗物的なメリットよりも、
社会貢献しているという喜び、満足感の方がはるかに高いということです。
試しに一度という軽い気持ちで行きましたが、輸血用血液の不足が見込まれるということもあり、今後継続的に通いつめようと考えています。

献血は身近にできるボランティアです。
この記事を読んで少しでも献血に興味を持った人は、ぜひ一度献血ルームへ足を運んでみてください。

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