あなたが最近笑ったのはいつですか?
私たちは年齢を重ねるにつれ、疲が溜まったりストレスが増えたりすることで、笑う機会が減少すると言われています。
ですが、笑うことには思わぬ効果があるのです。
今回は、笑いがもたらすさまざまな効果をご紹介したいと思います。
1.笑う門には福来るの意味と由来
笑う門には福来るとは、「笑いの絶えない家庭には、自然と幸福がやってくる」という意味です。 由来は、お正月の遊びとして有名な「福笑い」からきているという説が有力です。
福笑いとは、目を隠した状態で「おかめ」や「おたふく」と呼ばれる顔に目や鼻などのパーツを正しい位置に置けるかというゲームです。
目隠しした状態で行うため、仕上がりは面白い顔になります。
それを見てみんなで笑って過ごせることから、これが由来となっているのではないかと言われているのです。
2.笑いがもたらす健康効果
①免疫力の向上
私たちの体内には、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)と呼ばれる免疫細胞があります。
この細胞は、がん細胞や体内に侵入してきたウイルスや細菌を破壊する役割を担っています。
近年では、インフルエンザウイルスを退治する細胞として注目を浴びている細胞です。
実は、笑うことでこのNK細胞を活性化できることが分かっています。
笑うと免疫機能をコントロールしている「間脳」を刺激します。
すると「神経ペプチド」と呼ばれる情報伝達物質の生成が促進され、NK細胞に付着することによって細胞が活性化されるのです。
NK細胞が活発になると、体の免疫力が高まります。
笑いがもたらす効果は免疫力を高めるだけではありません。
NK細胞の数値が低い人は高くなり、数値が高すぎる人は低くなるという効果もあります。
つまり、NK細胞を適正な状態にすることができるのです。
②自律神経を整える
自律神経とは、呼吸や内臓などを機能させるために無意識に働く神経です。
この神経には、活動している間に優位になる交感神経と、体がリラックスしている時に優位になる副交感神経の2つがあります。
この2つの神経はストレスなどの影響を受けやすく、バランスが乱れてしまうとさまざまな不調を引き起こす要因となります。
それを防ぐのに効果的なのが「笑うこと」なのです。
笑うと脳がリラックス状態となり、副交感神経が優位になります。
笑うことで2つの自律神経をバランスよく機能させることができるのです。
③鎮痛作用
笑うと「エンドルフィン」と呼ばれる脳内ホルモンが分泌されます。
エンドルフィンは別名・脳内麻薬とも呼ばれ、モルヒネの数倍の鎮痛作用があると言われています。
そのため、医療の現場でも治療法の1つとして注目されています。
④ストレスの緩和
笑うとセロトニンとドーパミンという2つのホルモンが分泌されます。
セロトニンは、別名・幸せホルモンと呼ばれ、精神安定剤のような働きがあります。
ドーパミンは、やる気やモチベーション維持に欠かせないホルモンであり、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑える働きもあります。
これらはいずれも、ストレスの緩和に欠かせないホルモンです。
また、先述の通り、笑うと副交感神経が活発になります。
すると、心や体の緊張がほぐれリラックス状態となり、ストレスの軽減に繋がります。
3.笑いがもたらす美容効果
①たるみやしわの予防
私たちの顔には、表情筋と呼ばれる30種類以上もの筋肉があります。
ところが、普段の生活で使われている表情筋は、たった30%程度だと言われています。
さらに、年齢を重ねるとともに表情筋は衰えていきます。 すると、肌のハリが失われ、たるみやしわができていきます。
表情筋の衰えを防ぐためには、表情筋を動かさなくてはなりません。
そこで効果的なのが「笑うこと」なのです。
笑うと口角が上がり、普段使わない部分の筋肉を動かすことができます。
その結果、表情筋の運動量が増えて、たるみやしわの予防になるのです。
②美肌
肌の新陳代謝が悪いとメラニン色素が肌の表面で定着し、シミができたり肌がくすみやすくなります。 また、老廃物が溜まりやすく、肌荒れを引き起こす要因となる場合もあります。
この点、笑うことで多くの表情筋を使うことができます。
すると、顔の血液やリンパの流れがよくなり、新陳代謝が活発になります。
その結果、肌のターンオーバー(生まれ変わり)が正常化され、美肌効果が期待できるのです。
4.笑いは人間関係も良好にする
無表情の人よりも、笑顔でいる人のほうが好感がもてますよね?
笑顔になると、自分の緊張がほぐれるだけでなく、相手にも安心感を与える効果があります。
そのため、コミュニケーションがとりやすくなり、良好な人間関係を築くことができます。
緊張しやすい場面では、笑うことを意識するようにしましょう。
最後に
笑うことの裏にはこんなにたくさんの効果が隠れていたのです。
ちなみに、笑い方は作り笑いでも同じ効果を得ることができるとされています。
また、笑うのが苦手な人は、まずは口角を上げるよう意識してみてください。
笑顔とはいかなくても、柔らかい表情を作ることができます。