プラセンタと言えば美容というイメージが強いですよね。 そのため、プラセンタ注射も美容のためのものと思われるかもしれません。 しかし、プラセンタ注射は、もともと医療における治療法の1つとして使用されてきたものなのです。
今回、次回と2回に分けて、プラセンタ注射の内容や効果、費用、副作用といった点についてご説明します。
1.プラセンタ注射とは?
医療用プラセンタ注射は、厚生労働省で医薬品として認可されたもので、「メルスモン」と「ラエンネック」という2つの種類があります。
当初メルスモンは、更年期障害や乳汁分泌不全といったホルモン治療に使用され、ラエンネックは肝機能の回復や治療などに使用されていました。
しかし、治療を受けた患者の免疫力が向上したり、美肌効果やアトピー改善などにも効果を発揮することが分かってきました。
そこで最近では、主にアンチエイジングなどの美容目的で積極的に使用されています。
プラセンタ注射の最大の特徴は、「自然治癒力を高めること」です。
自然治癒力が高まることによって、さまざまな疾患に効果を発揮します。
2.プラセンタ注射の原料
プラセンタ注射の原料は、日本国内の正常分娩で生まれた人の胎盤です。
細かい血液検査を繰り返し、感染性の病気がないことが確認できた胎盤だけを使用しています。 そのため、製品としての安全性は非常に高いものとなっています。
胎盤(英語で「プラセンタ」)は、お腹にいる赤ちゃんのへその緒と繋がっていて栄養や酸素を送る働きをする器官です。
このヒトプラセンタは、プラセンタ注射と点滴だけに使用でき、化粧品やサプリメントには使用できないことになっています。 ヒトプラセンタは、動物のプラセンタに比べて吸収率が良く、即効性が高いことが特徴です。
3.プラセンタ注射の効果
自然治癒力が高まることで、あらゆる面の機能の改善に効果があります。
実際にどのような効果があるのか、ご紹介します。
①免疫性、アレルギー疾患
・リウマチ ・気管支喘息
・アトピー性皮膚炎 ・蕁麻疹
・花粉症などのアレルギー性鼻炎 ・風邪予防
②肝疾患
・ウィルス性肝障害 ・アルコール性肝障害
・脂肪肝 ・肝硬変
③婦人科系
・更年期障害 ・生理不順 ・生理痛
・子宮内膜症
④美容
・美白 ・シミやしわ、たるみの改善
・肌のハリや弾力 ・アンチエイジング
・美髪
⑤精神疾患
・自律神経失調症 ・不眠症 ・うつ病
⑥眼科系
・白内障 ・アレルギー性結膜炎
⑦その他
・疲労回復 ・肩こり ・腰痛 ・冷え性
プラセンタ注射を打つことで主にこのような効果が期待できます。
実はここに挙げたのはほんの一部で、他にもたくさんの効果が期待できます。
4.プラセンタ注射を打つ間隔
では、どれぐらいの間隔をあけて注射すればいいのでしょうか。
これについては、医師が患者の様子を見ながら投与していくので人それぞれです。
目安としては、初めの1~2ヶ月は週1~2回、3ヶ月目からは1~2週間に1回です。
3ヶ月間投与し続けるのがよいとされています。
5.プラセンタ注射に保険適用はある?
最近は美肌効果や老化防止、疲労回復目的などでプラセンタ注射をする人が増えています。
これらの目的で使用する場合、メルスモンとラエンネックどちらのプラセンタを使っても効果に違いはないそうです。 ただ、メルスモンの方が更年期障害の治療に使用されているので、どちらか選べる場合はメルスモンを選ぶといいかもしれません。
美容や疲労回復を目的としてプラセンタ注射を打つ場合は自由診療であり、「保険適用外」となります。 費用は1アンプル1000~2000円程度です(別途初診料や診療費などがかかります)。
一方、更年期障害障害や肝機能の治療などの目的で投与する場合は健康保険が適用になるため、1アンプル300円~600円程度です。
気になるようであれば、事前にクリニックに問い合わせるといいでしょう。
アンプルというのは、注射剤を入れる密封容器のことです。
1アンプルは2mlで、自由診療の場合、1回で1~3アンプル使用します。
保険診療の場合は、ラエンネックは 1回2アンプル、メルスモンは1回1アンプルと決められています。
最後に
プラセンタと言うと、スキンケア用品などに含まれているものをよく見かけます。
そのため、プラセンタ=美容というイメージが強いですが、さまざまな疾患に効くすごい成分だったのですね。 速いケースだと1度の投与で効果があらわれる場合もあるようです。
もし先ほど挙げた症状でお悩みであれば、プラセンタ注射で治療をする方法も視野に入れてみてはいかがでしょうか。