打撲や捻挫、肩こり、腰痛などと聞くと、整体院や接骨院が思い浮かぶと思います。
でも、整体院と接骨院の違いをあなたはご存知ですか？
混同されれがちですが、実はちゃんと違いがあるのです。
今回は、整体院と接骨院の違いや保険診療の可否などについてお話しします。
1.接骨院と整体院の違い
①国家資格の有無
接骨院を開業するには「柔道整復師」という国家資格が必要です。
これに対し、整体院の開業に国家資格は必要ありません。
②施術内容
接骨院は、急性と亜急性の症状に対して治療をします。
急性とは、大きな力がいきなり加わり発生する怪我で、打撲や捻挫、骨折、肩や肘の脱臼などがこれにあたります。
亜急性とは、同じような力が繰り返し加わり発生する痛みをさし、ぎっくり腰や寝違え、首や腰の痛みなどが該当します。
このような怪我や痛みに対して、目で診る「視診」、患部に触れる「触診」、実際に動かす「動診」などで損傷状態を把握し、治療をしていきます。
一方、整体院は、骨格や関節、骨格筋の歪みを手足や補助器具を用いて矯正・調整をします。
体のバランスを整えて日頃の不調を改善していく施術方法です。
そのため、接骨院のような急性の症状ではなく、腰痛や肩こりといった慢性化してしまった症状の治療が主となります。
③保険診療の可否
先述の通り、接骨院は国家資格をもつ柔道整復師によって施術されます。
そのため、接骨院での施術は国に「医療行為」と認められており、保険診療を受けることができます。
ただし、保険適応となるのは、急性と亜急性による「外傷」のみです。
したがって、肩こりや腰痛の治療で保険診療は受けられません。
これに対し、整体院には国家資格がなく整体師は国からの認定を受けていないため、整体院での保険診療は一切できません。
2.接骨院と按摩マッサージの違い
按摩マッサージとは、「按摩」「マッサージ」「指圧」を組み合わせたマッサージ方法です。
手で筋肉を揉んだり、ツボを刺激することで痛みを和らげていきます。
按摩(あんま)は、服の上からなでる、押す、揉む、叩く手技です。 体の中心から外側に向かって施術をします。
按摩マッサージには「按摩マッサージ指圧師」という国家資格があり、一般的には「マッサージ師」と呼ばれています。 接骨院とはいくつか異なる点があります。
①治療内容
接骨院は、外傷の治療がメインとなります。
それに対して按摩マッサージは、生活習慣による肩こりや腰痛といった慢性的な症状を治療していきます。
このようなマッサージは、接骨院で行うことは認められていません。
そして、「マッサージ」という名称を名乗って仕事ができるのは、按摩マッサージ指圧師のみです。
②保険適用対象の違い
接骨院では、肩こりの治療で保険診療は受けられません。
一方、按摩マッサージでは医療上マッサージが必要と医師から診断された場合、保険が適用となります。 怪我や病気の後遺症で肩こりや腰痛がある場合には、保険診療を受けられる場合があるのです。
3.整体院の選び方
整体院は法的資格を要さないため、施術者のレベルに大きなバラつきがあります。
中には素人に近い人が施術を行うところもあるようなので、整体院選びは慎重に行いましょう。 選び方のポイントをいくつかご紹介するので、参考にしてみてください。
①ホームページをチェックする
現在では多くの整体院がホームページを開設しています。
整体院に行く前に、ホームページでその整体院の情報収集をしましょう。
チェックする際には、先生の紹介ページを見てみてください。 どのような資格を持っているのか、得意な施術内容、整体師歴などの細かい記載があれば、しっかりした整体院という判断基準の1つとなります。
②きちんと検査や説明をしてくれる
検査方法は整体院によって異なりますが、検査したり患者さんの話を聞かなくては施術方法は見い出せません。
視診、触診、動診などで検査をした上で、自分の体の状態や今後の治療方針を分かりやすく丁寧に説明してくれる整体院を選びましょう。
③整体院に行く目的をはっきりさせる
整体院に行く前に、目的をはっきりさせておきましょう。
痛みを改善させたいのか、コリをほぐしたいのかによって整体院の選び方も変わってきます。
痛みを改善したいのであれば治療タイプの整体院、コリをほぐしたいのであればリラクゼーションタイプの整体院を選ぶといいでしょう。
④勉強熱心な整体師かどうか
整体師には国家資格がないので、勉強熱心かどうかで技術や知識に大きな差が出ます。
ホームページに施術内容を細かく記載していたり、実際に施術を受けた際に技術や知識の深さを感じさせてくれる整体師は勉強熱心と言えます。
最後に
整体院と接骨院… 一見似たように思えますが、まったく違うものなんですね。
今回は主に整体院の選び方を紹介しましたが、接骨院の選び方も基本的には同じです。 資格は試験に1度合格すれば取得できますが、技術は日進月歩で進化します。 また、人柄や性格は試験では計れません。
もし、怪我や痛みなどの症状で通院する機会があったときは、ぜひ参考にしてみてください。
