顔の大きさを変えることができるという小顔矯正。
メディアで取り上げられる機会も多く、あなたも一度は耳にしたことがあるかもしれません。
ところが、この小顔矯正の宣伝表示に違法性があるとして、数年前に一部の団体が消費者庁から措置命令を受けています。
今回は、そんな小顔矯正の効果や危険性などについてお話しします。
1. 小顔矯正とは
私たちの顔は、姿勢や噛み合わせといった日頃の生活習慣や骨盤や背骨の歪みの影響を受けて、気付かないうちに歪みが発生しています。
この歪みは、顔の左右でパーツの配置が異なったり、シワや肌荒れ、むくみといった形で現れてきます。
小顔矯正は、これらの症状を改善する方法の1つです。
顔の表面にある表情筋の凝りをほぐしたり、顎関節を動かして顔の歪みを解消する施術方法になります。
小顔矯正というと、頭蓋骨や頬骨などに強い圧力をかけるイメージを持っている人が多いと思います。 私も実際その1人で、テレビなどでも痛がりながら施術されてる場面を見かけたことがあります。
この施術をしていたのは社団法人・美容整体協会という組織です。
「頭蓋骨の骨格を変えて小顔にする」「えらの骨や頬骨を内側に押し込んで骨格矯正をする」「形状記憶できる」などと謳って大々的に集客していました。
ところが、こうした施術によって小顔が持続したり、骨格自体を変えられるという主張には医学的な根拠がないことが分かりました。
そして、上記のようなホームページの宣伝表示は景品表示法違反に当たるとして、消費者庁は、2013年4月に美容整体協会に再発防止を求める措置命令を出しました。
小顔矯正すべてが危険というわけではありませんが、上記のような宣伝文句を謳った小顔矯正クリニックには注意が必要ということです。
2. 小顔矯正の効果
小顔矯正には、
・むくみの改善
・左右の顔のバランスがよくなる
・フェイスラインがすっきりする
・目鼻立ちがくっきりする
・ほうれい線がうすくなる
・肌荒れの緩和
・頭痛の緩和
といった効果が期待できるとされています。
これらの効果が生じるのは、骨格が変わるからではなく、顔のむくみや表情筋などの筋肉のこわばりが解消されるからです。
1回の施術による持続効果は、施術直後から翌日にかけてと短期間です。
よく小顔矯正の感想の中に「すぐ元に戻ってしまった」といった声が多いのはこのためです。
効果を持続させるためには、施術を頻繁に受ける必要があります。
3. 小顔矯正の危険性
①強い力を加える施術
もともと頭蓋骨の大きさは決まっているため、圧力をかけることで大きさを変えることはできません。
むしろ、頭蓋骨に強い圧力をかけると、頭蓋骨内の圧力が高くなってしまうそうです。
その結果、さまざまな体の不調を引き起こす可能性があります。
圧力をかける施術によって起こり得る不調には、以下のようなものがあると言われています。
・めまい
・吐き気
・頭痛
・耳鳴り
・うつ病
・自律神経失調症
・パニック障害
・口が開きづらくなる
体だけではなく、精神疾患を発症する可能性もあるなんて恐ろしいですよね。
強い力をかけて行う小顔矯正は、危険とすら言えます。
また、頭蓋骨だけでなく、頬骨を押し込むような施術にも骨格を矯正する医学的根拠はありません。 このような施術をする整体師・クリニックも避けた方がいいでしょう。
②施術者の技術（スキル）
小顔矯正をおこなっている整体師には、民間の資格はあるものの国家資格はありません。
そのため、正しい知識を持たずに自己流で施術している場合もあるようです。
そのような整体師に当たらないよう、整体師・クリニック選びは慎重に行う必要があります。
4. 小顔矯正と小顔マッサージの違い
小顔矯正は、顔の表面の筋肉を動かして凝りをほぐし骨を正しい位置に戻します。
それにより、顔の歪みやむくみが解消されます。
それに対して小顔マッサージは、顔全体を優しくマッサージして、首や顔のリンパの流れを良くしていきます。
その結果、顔のむくみが改善され、リフトアップやフェイスラインがすっきりする効果が期待できます。
小顔矯正も小顔マッサージも、むくみを一時的に解消することにより小顔効果が実感できるという点で、似たような施術方法と言えます。
強いて言うなら、小顔矯正は骨の位置や歪みを意識した施術、小顔マッサージは顔のリンパを流すことを意識した施術となります。
最後に
女性なら誰でも小顔に憧れると思います。
すべての小顔矯正が危険というわけではありませんが、力任せに行う小顔矯正には危険性があるということは覚えておいてください。
小顔矯正を受ける場合は、どのような施術方法なのかを調べることは必須です。
口コミなども参考にして、きちんとした知識と技術を持った整体師にお任せしましょう。