近年、コンタクトレンズは私たちにとって身近なものになっています。
以前は専ら視力矯正が目的だったのが、カラーコンタクトの登場によってファッション化の流れが加速。 広く普及した分、コンタクトに起因するトラブルも増えています。
今回は、コンタクトレンズを使用するにあたり、やってはいけないNG行為をご紹介します。
1.コンタクトレンズは適切なケアが重要
私たちは普段手軽にコンタクトレンズを使用していますが、実はコンタクトは医療機器の1つです。
デリケートな目に直接つけて使うものなので、正しく取り扱わなくてはなりません。
装着時間や使用期限、お手入れ方法などは、目の安全を守るための重要なポイントです。
これらを正しく行わないと、角膜を傷付けたり感染症などのトラブルを引き起こす要因となります。
コンタクトに起因するトラブルは、重症化すると最悪失明する危険性があります。
そんな最悪の事態を防ぐためには、正しいケアや使い方を知り、実行することが大切です。
ところが、現在は通販で購入できるようになったこともあり、正しい知識を知らないまま使う人が増えているのです。
そこで、トラブルを引き起こしやすい代表的なNG行為を4つ挙げました。
2.NG行為 コンタクトをつけたまま寝る
コンタクトを装着したまま眠ってしまうと、目の乾燥や酸素不足、感染症にかかるリスクが高まります。
1つずつ、詳しくご説明していきますね。
①目の乾燥
コンタクトをつけたまま眠ってしまうと、目の中でコンタクトが乾燥してしまいます。
乾いたコンタクトが角膜と擦れてしまうことで、傷が付く危険があるのです。
また、乾燥したコンタクトが目の横に張り付き、目の裏側にいってしまったような感覚に陥いる場合もあります。
張り付いたコンタクトを外す際も、気をつけなくては、傷がついたり、コンタクトが破れてしまいます。
②酸素不足
角膜(黒目)のなかには、目の呼吸や代謝、黒目の透明性を保つ働きをする角膜内皮細胞という細胞があります。
この細胞は常に呼吸をしているため、眠っている間も酸素が必要です。
ですが角膜には血管がありません。
そのため、普段は角膜に触れた酸素を取り込むか、涙によって運ばれた酸素を吸収して呼吸をしています。
コンタクトを装着して寝てしまうと、まぶたを閉じていることに加え、角膜がコンタクトで覆われた状態で、ほとんど呼吸ができません。
その結果、角膜が酸欠状態に陥ってしまうのです。
酸素が不足してしまうと、角膜内皮細胞は減少してしまいます。
するとドライアイやぼやけたり、白く濁った視界になる可能性があるのです。
さらに、1度減った細胞は再生することができません。
ですから、コンタクトをつけたまま寝てしまうことはやってはいけない行為なのです。
③感染症リスク
上でご説明したように、コンタクトをつけたまま寝てしまうと、角膜に傷が付く危険性があります。
すると傷口から細菌が侵入し、角膜炎などの感染症を引き起こす可能性もあるのです。
コンタクトをつけたまま寝る人は、目の感染症にかかるリスクが5~10倍も高くなると言われています。
3.NG行為 ケアに水道水を使用する
コンタクトがゴロゴロした時に水道水で洗ったりしていませんか? コンタクトのケアに水道水を使用するのはNGです。
塩分濃度の違いやアカントアメーバの危険性があるからです。
①塩分濃度の違い
私たちの涙やコンタクトレンズは、0.9%の塩分濃度があります。
それに対して、水道水の塩分濃度は0%。 塩分濃度が異なると、塩分濃度を均等にさせるために水を引っ張る力「浸透圧」が作用します。
この力は、塩分濃度が高いものほど強いので、水道水の水はコンタクトレンズに吸収されてしまうのです。
するとコンタクトはブヨブヨに変形してしまって、角膜を傷付ける可能性があります。
加えて水道水に含まれている塩素も吸収されます。
②アカントアメーバの危険性
コンタクトレンズに水道水を使用した場合のもう1つのリスクは、アカントアメーバによる感染です。
アカントアメーバは水道水に潜んでいる微生物で、このアカントアメーバに感染すると「アカントアメーバ角膜炎」になります。
この感染症は、角膜の感染症のなかで最も重度な病気と言われています。
というのも、ひとたび感染すると治療するのが難しいとされているからです。
初期には目の痛みや涙といった症状があらわれ、進行すると最悪失明する可能性があります。
なので、コンタクトに水道水を使用するのは絶対にやめましょう。
4.NG行為 コンタクトをつけたままお風呂に入る
お風呂場は湿気や水分が多い場所ですが、コンタクトをした目にとっては極度に乾燥してしまう場所です。
また、水道水でのケアと同様、浸透圧やアカントアメーバの危険性もあります。 さらに、石鹸やシャンプーがコンタクトに付着すると、汚れになったり変形の原因になります。
お風呂に入るために一時的にコンタクトを外すのは面倒かもしれませんが、必ず外してから入るようにしましょう。
5.NG行為 メイク後にコンタクトを装着する
特に目を大きく見せる目的で使用している人は、最後の仕上げにコンタクトを装着する人が多いのではないでしょうか。 実はこれもNG行為の1つなんです。
ファンデーションやアイシャドウ、チーク、口紅など様々な化粧品の多くには油分が含まれています。 しっかり手を洗ってもこの油分が残っている場合があり、その手でコンタクトに触れると油分がコンタクトについてしまいます。
すると、視界がくもったりゴロゴロとした異物感を感じることがあります。
さらに、メイク後はコンタクトにマスカラやアイシャドウも付着しやすいです。
特にマスカラの繊維などが付くと、コンタクトが傷付いて目の痛みや充血、角膜を傷付ける危険性があります。
これは私も経験があるのですが結構痛いです。 我慢しきれずコンタクトを外してみたら、レンズにマスカラの繊維が張り付いていたことがありました。
このようなリスクを減らすために、コンタクトはメイク前に装着するようにしてください。
最後に
あなたはコンタクトにまつわるNG行為していませんでしたか?
今やコンタクトはオシャレの一部となっていますが、正しく使用しないと取り返しのつかない状況になることもあるのです。
もしNG行為をしていた場合は、目の健康を保つためにすぐにやめてくださいね。